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ケルトの白馬

ホワイトホースj
(承前)
≪高くそびえる丘の要塞を離れると、右手になだらかな土地が広がる。丘の下のほうでは、麦が栽培されており、刈入れをひかえて、麦の穂が銀色に光っている。そのはるか向こうの低地には、うっすらと青い森が見える。左手は北の方角にあたり、森が近い。人がすっぽりかくれるほど高くのびた草がびっしりとはえていて、近づくと呑み込まれてしまいそうだ。太陽が空高く輝き、ひばりの声が聞えるなか、戦車は白い丘の稜線をひたすら走った。≫(「ケルトの白馬」ローズマリー・サトクリフ作 灰島かり訳 ほるぷ出版)

 下の写真に撮り切れていませんが、この辺りの稜線は、ゆるやかに延々と続き、本当に美しいものです。
 そんな中、選ばれたこの斜面。テムズの恵みを受けた谷合いの土地が見渡せるこの地にこそ、白い馬は描かれたのだとわかります。
 サトクリフは、この鉄器時代の遺物***から、大いなるイメージを広げました。もしかしたら、そうだったかもしれないと思わせる面白さ。ローズマリー・サトクリフ(1920~1992)の作品は、何度読んでも新しい発見があり、新鮮なワクワク感は、いつも同じです。(続く)

*「ケルトの白馬」(ローズマリ・サトクリフ作 灰島かり訳 ほるぷ出版)
*「ケルトの白馬/ケルトのローマの息子」(ローズマリ・サトクリフ作 灰島かり訳 ちくま文庫

***サトクリフが、この「ケルトの白馬」を書いたのは1977年ですが、1995年には、最新技術により、この「白馬」が、鉄器時代よりもっと古い青銅時代のものではないかと判明したようです。そのことをサトクリフが知っていたら、また違った話ができていたのかと思うと、それも楽しい。
               ぽにーj

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