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みんなみすべくきたすべく

一番きれいなのは、いつも遠くの方にしかないのね

     テムズ上流カヤックj
(承前)
「鏡の国のアリス」 (ルイス・キャロル作 ジョン・テニエル画 生野幸吉訳 福音館)
  「不思議の国のアリス」(1865)のあと、数年たって書かれたのが、「鏡の国のアリス」(1871)です。

 その中で、心に残るのは、アリスの手の中の編み棒がオールに変わり、気がつくと、アリスとひつじのおばあさんは小さなボートの中に座り、川土手の間をすべるように進んでいるシーンです。川べりで、アリスはニオイイグサ(トウシンソウ)を見つけます。そしてボートをひっくり返さないように気を付けながら、愛らしい、よい匂いのするイグサを取っていきます。
 ところが、
≪・・・ボートが流れてゆくにつれて、ずいぶんたくさんのイグサを取ることができたけれども、いつもいつも手のとどかないあたりにもっと美しいのがあらわれるのです。「一番きれいなのは、いつも遠くの方にしかないのね!」と、とうとうアリスは言い、ずうっと遠くに離れていくイグサのかたくなさにためいきをつきました。そしてほほをほてらせ。かみや手からしずくをしたたらせながら、もとの場所にはうようにしてもどってくると、この新発見のたからものをせっせと整理し始めるのでした。  アリスにつみとられたそのせつなから、イグサがみんないろあせて、匂いも美しさも失い始めるとしたところで、それが今のアリスにとってなんだというのでしょう?・・・・≫

 こんな深いことが書いてある「鏡の国のアリス」ですが、先に書いたように息子は、「不思議の国」「鏡の国」を笑って楽しんでいたものの、同時に聞いていた5歳年下の末っ子は、読んでもらったことは覚えているとしながらも、アリスで思い出せるのは、笑う猫と花と話しているところだけで、笑った記憶はないといいました。
 残念ながら、彼女がこの本に出合うには、早すぎたということだと思います。(続く)

☆写真上は、テムズ川ケルムスコット付近。テムズ川では、写真のように、親子で(一家で)カヤックをしているのを、何組か見かけました。写真下は、英国バスコットパークの真紅のスイレン。こんな色、日本で見かけないなぁ。

真紅j

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