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映画「グランド・ブタペスト・ホテル」

                      ミューレンj
 共産主義時代の東欧らしい架空の国の豪華ホテル、伝説的なコンシェルジェとそのベルボーイ。富豪の伯爵夫人、その死と遺産をめぐるミステリー活劇。脱走劇も逃亡劇も追跡劇も、大真面目にふざけています。可笑しくて哀しい。どの俳優・女優も、癖のある人ばっり。どこかで見たことのある主役級の俳優さんたちが、こんなとこに?

 玩具のような可愛いピンクのお菓子が登場したかと思いきや、思い切りクラシックなお屋敷。真っ赤なエレベーターに乗る従業員のユニフォームは紫。屋根伝いに恋人が帰っていくかと思えば、美術館での殺人事件。以前、「アメリ」というフランス映画を見たときも、そのテンポと展開に、くらっと来たのを思い出しました。

 この映画は、映画は娯楽だ!楽しまなきゃね!というメッセージを発信しつつも、そこに戦争の時代を描き、難民の哀しみを語らせる。グランド・ブタペストホテルというからには、ソ連の支配下に置かれたハンガリーのブタペストを意識しているのでしょう。ただのおふざけ映画のようにも見えて、奥も裏もある・・・
 美術館もちょっとした舞台の一つになりますが、大きくは架空の名画「少年とリンゴ」の追跡劇でもあります。が、その絵があったところに置かれる裸婦二人の絵って、ウィーンのエゴン・シーレの絵に似ていたし、お屋敷の床に置いてあったのは、クリムトっぽい一枚。

 楽しさを倍増させる音楽は、ロシアのバラライカであり、スイスのヨーデルやアルペンホルンであり、ハンガリー東欧などで見られるツィンバロムらしい。(このツィンバロム、ハープシコードみたいで、またピアノの前身のような風貌で、弦を叩く打楽器です。以前、スイスのホテルで、演奏しているのを聴いたことがあります。ばちの様なもので叩くと、凄く深い音が出たのが記憶に残っています。)

 最後、エンディングロールに可愛くバラライカのカット絵が出てきて、素敵なエンディングロールだと思っていたら、最後の最後、可愛いロシア風のおじさんが踊るアニメーションまでついていて、楽しい映画のおまけのようで、にっこり。

☆写真は、スイス ヴェンゲンから見た崖の上のミューレンの街、崖中央の豪華なホテルは、グランド・ブダペストホテルではありません。

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