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子猫のミツ

    ニヨンのまちj
(承前)
 バルテュス(1908~2001)は、ポーランド貴族の子どもで、母親の恋人は、かのリルケでした。

 「バルテュス展」の初めの頃、母親が描いた「バルテュスとミツ」という絵がありました。少年のバルテュスが子猫のミツを抱いている絵です。水彩で描かれた絵は、穏やかな雰囲気が漂い、母親の暖かい視線がありました。

 そして、少年バルテュスは、その子猫ミツとの出会いと別れを40枚の絵にし、それが、リルケの序文がついた、画集として小さな本になります。(1921年)この小さな作品群は、描きたいという気持が前面に出ていて、リルケが称賛するのもわかります。(昨日の写真のファイルが「ミツ」の連作です)

≪・・・バルテュス。もうミツの姿が見えなくなってから、きみは彼をもっとたくさん見るようになった。彼はまだ生きているんだろうか?そしてのんきな子猫らしい彼の快活さは、きみを面白がらせてくれた後で、きみに義務を負わせる。きみは、哀しいうちにも勤勉に手をはたらかせて、その快活さを表現しなくてはならなかった。・・・≫というわけで、この「ミツ バルテュスによる40枚の絵」(R.M.リルケ序 阿部良雄訳 泰流社・河出書房新社)が生まれ、世にバルテュスの存在を知らしめたのです。

 もしかしたら、一連のバルテュスの神秘的な絵画世界より、この画家が、子どもの時に描いた40枚の絵と母親の描いた少年バルテュスと子猫の絵が、この展覧会で一番、印象に残ったかもしれません。

☆写真は、バルテュスが子猫ミツを見つけた、スイス ニヨンの街。高台に見えるお城(旗が掲げられている建物)で、バルテュスは子猫のミツに出会ったようです。写真には撮っていませんでしたが、確かにバルテュスが描いたような鉄製の扉とベンチの置いてある場所はありました。

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