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本を愛しすぎた男

ルイス古本屋j
 「本を愛しすぎた男: 本泥棒と古書店探偵と愛書狂」 (アリソン・フーヴァー・バートレット 築地 誠子訳 原書房)
  転売目的で本を盗むと言うのではなく、本を愛するあまり盗む(でも、読まない!)というジョン・ギルキー。そのギルキーを追い詰めるアメリカ古書籍商組合(ABAA)の防犯対策室長の古書店主ケン・サンダース。そして、その両者とつながり、この1冊の愛書狂たちの本を書きあげたライター、アリソン・バートレット。
 読んでいると、この本がノンフィクションであるのを忘れるくらい、ジョン・ギルキーの手口は巧妙で、現役です。事実は小説より奇なりという言葉がぴったり。泥棒の片棒を担いでいるみたいで後味悪いけど・・・

 2009年に“The Man Who Loved Books Too Much:The True Story of a Thief, a Detective, and a World of Literary Obsession”として出版されるのですが(邦訳2013年)、話の発端は、ライターであるアリソンが2005年に豚革の革表紙に真鍮の留め金の付いた5キロ以上もある立派な装丁の本を預かるところから始まります。やがて、それは1600年代に書かれたドイツ語の本で三千ドルから五千ドルもする稀覯本だと判明。・・・で、ライターは、稀覯本やその周りの世界を調査し始め、サンダースやギルキーと出会うことになります。

 本泥棒とそれを追い詰めるサンダース以外の古書店主や、本泥棒ギルキー以外の歴代の愛書狂たちのエピソード、また、登場する稀覯本、初版本のエピソードも興味深いものでしたが、それらを挿入することによって、全体として、散漫になった感じもします。

 さて、この本に登場する本のタイトルは百冊以上もあって、19世紀20世紀文学だけでなく、コミックやノンフィクション作品、そして、くまのプーさんやピーター・ラビット、赤毛のアン等の児童文学も含まれていました。(続く)

☆写真は、英国南イングランドルイスにある15世紀本屋という児童書を主に扱う古本屋さん。「本を愛しすぎた男」とは全く関係ありません。(撮影:&Co.Ak)

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