(承前)
六本木ヒルズの52階六本木アーツ・ギャラリーの「ラファエル前派展」に行きました。
前にも書きましたが、ラファエル前派にとても興味があった時期に、実際にロンドンのテート美術館やV&A、はては、コッツウォルズのケルムスコットマナーにまで足を伸ばしたことがありました。
ラファエル前派に興味があったのは、その絵の美しさというより、そこに描かれた物には象徴している事があると知ったからです。つまり、描いてある「物」に意味がある、物語る絵というわけです。一見、こんなファインアートと、大好きな絵本・挿絵は、かけ離れているように見えますが、物語る絵という範疇では同じだと考え、ずいぶん、楽しんだことがあります。実際、彼らは美しい書物という分野で、美しい挿絵も描いていますから。
今回、テート美術館から、こんなにたくさんのラファエル前派の作品が来て、あるいは、神戸市立博物館(~2014年4月6日)にターナーが来て(テート美術館にはターナー・ルームがあるくらい所蔵品が多いのです。)、テート美術館は、一体どうなっているんだ?・・・いえいえ、まだまだまーだまだ、所蔵されていますから、ご心配無用。
とはいえ、ラファエル前派集団のことを知らなかった人や、今までさほど興味のなかった人には、おあつらえ向きの展覧会だと思いました。ともかく、たくさん見られます。
それに、もうひとつ、ジョン・エヴァレット・ミレイの「オフィーリア」も来ているのですが、ロンドン テート・ギャラリーで見るより、一段下げて、多分、日本人の目線に合わせて、展示しているので、テートで見るより、近くで見られる気がします。混雑していない時に鑑賞するなら、左端の枝に居るコマドリも、ちゃんと見つけられると思います。(続く)