FC2ブログ
 

みんなみすべくきたすべく

Auld Lang Syne

AULD LANG SYNEj
(承前)
 上京の目的とはズレるものの、なんとしてでも文化探訪がしたかったので、部屋探しの近くで行けるところはないかと、目論み、見つけたのが娘の部屋ではなく、文京区立森鷗外記念館でした。

 ここは、小さな展示やイベントで、集客するタイプの記念館のようですが、今回は、鷗外に届いた作家たちからの年賀状の展示「鷗外への賀状」展(~2014年1月26日)でした。
 年賀状ですから、展示品は小さく、数もさほど多くありません。が、2013年鷗外生誕150年に作られた新しい記念館で、コンピューター画像による展示もあり、明るい画面で、各人の文字や文を眺めることもできます。これは、ベルンのポール・クレーセンターでも楽しんだ画像処理の鑑賞です。ページを繰りたい展示物や退色によって見にくい展示物など、手にとって見たい気持ちを満足させてくれるものです。
 年賀状は、それぞれにセンスがあって達筆だし、その一言が、味があって、なるほど、と感じいりました。
 中でも、一番見たかったのは、パンフレットに掲載されている写真右に写るアンティークな葉書でした。AULD LANG SYNE(2)と見えます。これは、そう、「蛍の光」です。スコットランド人の愛するスコットランド古謡なのです。この葉書に載っているのは、後にロバート・バーンズが書きくわえた詩と、少し違う個所もありますが、元々は古謡なので、伝わり方で違いがあるのではないかと考えます。
 旧友と再会し思い出話に花を咲かせ、酒を酌み交わすといった情景の一部が記載されています。新年によく歌われるそう。

「Auld Lang Syne」は、「Old Long Since」のこと。
 意訳は、「過ぎ去った日々」のようなことかと思います。

我が友よ この手をとって、
君の手も こちらに
飲み干そうじゃないか 我らが友情と 遠い昔のために
過ぎ去った日々のために
今も続く 親愛の この 一杯を 酌み交わそう 
過ぎ去った日々のために        (拙訳)

 かつて、ディケンズのクリスマスストーリー講読ゼミにお邪魔していたことがあり、THE HOLLY-TREEという話の中に、何度かこの歌が登場し、話のバックミュージックとして覚えていたことも手伝って、賀状を受け取った鷗外ならずとも、懐かしい気もちでいっぱいになりました。

PageTop