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みんなみすべくきたすべく

西ノ森

       海岸線j
 児童文学、特に英国のそれが好きなのは、事細かく、目に見えるように書いている作品が多いからです。

 「ここから先は、自分自分でイメージしなさい」と、著者が独自の世界を紹介してくれるよりも、「この世界を一緒に分かち合いましょう」という著者の姿勢が、読む楽しみを増やしてくれます。

 例えば、昨日のファージョンの「棟の木かざり」(「年とったばあやのお話かご」)の中に
≪・・・つぎの日、わたしたちは、みんな、いちばんのよそゆきをきました。管理人さんは、皮のふちどりをした、みどりの服をき、帽子にはワシのはねをつけました。わたしは、こい赤のウールのドレスに、はでな色のスカーフを肩にまき、黒いきぬのエプロンを腰にまきました。そして、リーゼルは、白いひだひだのあるブラウスに、青いスカート、黒いビロードの胸あてをつけ、ししゅうのあるカラーのまわりには、チリンチリンとなる銀のくさりをかけて、まるで絵のようにかわいく見えましたよ。・・・≫
 スイスの民族衣装に身を包んだ3人が、絵のようにかわいく見えてきませんか?
 
 同じくファージョン「西ノ森」(「ムギと王さま」)のこの箇所はどうです。
≪・・・木だちのずっとむこうには、金色の海岸が見えました。それは、きらめく砂、輝く貝、色とりどりの小石のある入り江でした。ガラスのようにすきとおる、青くエメラルド色の海は、その入り江の右の岸から左の岸までいっぱいにさざなみをたて、その一ばんはては、ほの白く光るがけのある岬になっていて、がけには、雪花石のほら穴やくぼみがありました。・・・≫

 このファージョンの文を読めば、上の写真(オーストラリア、メルボルン)のような景色を思い浮かべられます。(撮影:&Co.A)

「年とったばあやのお話かご」 (ファージョン作 アーディゾーニ挿絵 石井桃子訳 岩波)
「ムギと王さま」 (ファージョン作 アーディゾーニ挿絵 石井桃子訳 岩波)

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