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みんなみすべくきたすべく

一匹のむく犬の如く

リージェントストリートj
 夏目漱石「文学論」の序に「倫敦に住み暮らしたる二年は尤も不愉快の二年なり。余は英国紳士の間にあって狼群に伍する一匹のむく犬の如く、あはれなる生活を営みたり。」とあります。
 あんなに美術館に通い、観劇もし、英国の美術誌を生涯購読し続け、自転車まで練習したのに「尤も不愉快」って・・・かわいさ余って憎さ百倍?
 と思っていたら、こんなことも書いています。
≪この国(英国)の文学美術がいかに盛大で、その盛大な文学美術が如何に国民の品性に感化を及ぼしつつあるか、この国の物質的開化がどの位進歩してその進歩の裏面には如何なる潮流が横わりつつあるか、・・・・いろいろ目につくと同時にいろいろ癪に障る事が持ち上がって来る。時には英吉利がいやになって早く日本に帰りたくなる。するとまた日本のありさまが目に浮かんでたのもしくない情けないような心持になる。≫( 「倫敦消息」 )

 素直に「イギリスびいき」って言っちゃえば、気が楽になるのに、文豪も大変ですねぇ。と複雑な明治男の心を思うのですが、実は、漱石自身、帰国後は、トーストにバターを塗って朝食にしていたらしい。
(「焼麺麭(トースト)」に続く)

☆写真は、ロンドン リージェントストリートを見る(撮影:&CO.T) 

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