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宿木

         ヤドリギ夏j

 ん、もう!ま、色々あったのはわかるけど、「ヤドリギの写真を送って」とクリスマス前から頼んでいたのに、今頃、木陰に生えるヤドリギの写真ありがとう。(写真中央上方、二つの緑の濃い円形部分)
 この前の「金枝篇3」のときに使いたかったヤドリギの写真。あのときは、白松の写真にして、今回、宇治十帖「宿木」と、このヤドリギの写真、ぴったりやわ・・・・・(撮影:&Co.H)

 宇治十帖は源氏物語の一番後ろ、十帖の話で、舞台が宇治、主人公が光源氏から薫の君に変わっています。この薫の君、すぐ所在がばれてしまうくらい、どこにいてもそのいい匂いが薫っている。ふーむ、くんくんくん。

 さて、源氏物語四十九帖「宿木」。
 「宿木」で重要なのは、薫の君が忘れられない人(故人)、忘れられない人の妹、忘れられない人の妹の子どもの父親、忘れられない人の妹の子どもの父親の新妻、忘れられない人の異母妹、そして、帝の娘の新妻・・・ま、複雑に入り組んだ世界です。

 「金枝篇」のヤドリギは、その不思議な生命力がヤドリギの真髄として捉えられていました。日本では、宿り木、宿木、寄生木(やどりぎ)で、樹の生命力に着目するより、「宿」という漢字を当てた宿木から、つかのまの寝床のような意味合いを、源氏物語では持たせています。

 薫の君が
≪やどり木と思ひ出でずば木(こ)のもとの旅寝もいかにさびしからまし≫
(むかし、ここに泊った思い出がなかったなら、木の下の宿に寝るのはどんなにさびしかろう)
 それに応えて弁の尼が、
≪荒れ果つる朽木(くちき)のもとをやどりぎと思ひおきけるほどの悲しさ≫
(こんな荒れ果てた朽木のような住まいを、むかし泊ったところと覚えておいでになる心遣いが悲しいことです。)
(「浮舟とオフィーリア」に続く)

**ちなみに、西洋のヤドリギ(Mistletoe)の花ことばは、愛情、艱難の克服、君臨、迷信とありました。参照:英米文学植物民俗誌(加藤憲市著 富山房)

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