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オフィーリア

            オフィーリアj
 
 シェイクスピア「ハムレット」のオフィーリアの絵を並べてみました。左が、夏目漱石お気に入りの画家ウォーターハウスの描くオフィーリア。まん中が、アーサー・ヒューズの描くオフィーリア。そして、右端が漱石がロンドンで見たと言われるジョン・エヴァレット・ミレイの描くオフィーリア。
 左とまん中の二枚は、オフィーリアが入水する前、錯乱している時を描いているのでしょうか。片や、歌っているように見えるし、片や、水面に微笑みかけています。そして、3枚に共通しているのは、花がたくさん描かれていることです。この頃の英国絵画は描かれている花等がそれぞれ、象徴的な意味を持ち、「物語る絵」としての一面もあるので、その意味をたどるのも興味深い。

 そして、「草枕」の主人公の画家が、写生帖をあけ、花嫁の顔を描こうと思案する場面で、ミレイの水に浮かぶオフィーリアが登場。
≪・・・ミレーのかいた、オフェリヤの面影が忽然と出て来て、高島田の下へすぽりとはまった。これは駄目だと、折角の図面を早速取り崩す。衣装も髪も馬も桜も一瞬間に心の道具立てから奇麗に立ち退いたが、オフェリヤの合掌して水の上を流れて行く姿だけは、朦朧と胸の底に残って、棕櫚箒で烟(けむり)を払う様に、さっぱりしなかった。・・・・・≫ 

 ただし、今回の「夏目漱石の美術世界展」に、この絵は来ていませんでした。(2014年1月~3月「ラファエル前派展」として、東京六本木森アーツセンターギャラリーに来るらしい。)

 なお、この「草枕」の挿絵を後世の日本画の画家が共作した作品は、「夏目漱石の美術世界展」に展示されていました。特に、「水の上のオフェリア」、これは、ミレイのオフィーリアとかなりかけ離れているような気がします。
 ミレイのオフィーリアには、彼女の周りに花花が、そしてコマドリまでも描かれていて、死に向かう彼女と共にあるのがわかるのに、「水の上のオフェリア」は、何もない水面を女の人がただ浮いている。死生観の違いか。うーん、ちょっと・・・・

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