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もののあはれ展

      もののあはれj
 (「百花繚乱展」から続き)
(承前)
 山種美術館の「百花繚乱展」の次にサントリー美術館の「『もののあはれ」日本の美展」(~2013年6月16日)に行ったら、どちらも花が多くて、区別がつかなくなるような錯覚が・・・
 「もののあはれ展」は、「花鳥風月」「雪月花」として、とらえる場面もあって、鳥の絵も月の絵もありますが、どの画にも、花や樹木は、描かれています。
 もちろん、書もあります。
 私自身の平安仮名のお稽古の積み重ねは、いまだ効果なく、読める文字探しの域をでないのが、なさけない。
 そんな中、川端康成の書「雪月花」もありました。川端康成の書は初見でしたが、書家川端康成の一面を見たような気がしました。型にはまらず、重く深い力を感じさせる書でした。

 展示全体の構成は、「もののあはれの源流 貴族の生活と雅の心」「言葉 本居宣長を中心に」「古典 源氏物語をめぐって」「和歌の伝統 歌仙たちの世界」「月光の表現 新月から有明の月まで」「花鳥風月 移り変わる日本の四季」「秋草 抒情のリズムと調和の美」「暮らし 近世から近現代へ」。

 さて、「もののあはれ」という言葉・・・調べると、情趣や情緒 優美や繊細、美や調和といった抽象的な単語が並びます。
 粗忽で粗雑な毎日を送っている私と正反対な世界と考えればいいでしょうか。
 サントリー美術館の解説によると、≪「もののあはれ」という言葉の意味は「あはれ」をめぐり解釈に広がりがある。「あはれ」は、「哀れ」という漢字を当てると、その語感は何か物悲しく儚いイメージに偏るが、本来は、賛嘆や愛情を含めて、深く心をひかれる感じを意味していたとされる。この「もののあはれ」を知ることを18世紀において考察したのが本居宣長(1730~1801)その人に他ならない。彼の著作によれば、「もののあはれ」を知ることこそが、人生を深く享受することにつながると指摘されている。≫
 
 そして、この展覧会で、記憶に残ったこと二つ。
 一つは、絵に描かれている小鳥たちの声をテープで流していて、それが会場に響いて、さながら、実際の自然の中に居るような錯覚が・・・
 もう一つは、照明を落とした月光表現の部屋で、月の満ち欠けを順に説明する写真が裏からライトで照らされて大きく展示されていました。それが、その真正面にある「日月屏風(六曲一双)」の展示ガラスに照り映り、さながら、屏風本体に月の満ち欠けが順を追って描かれているような錯覚が・・・
 どちらも、音響や映像など現代の楽しみ方が加味され、それはそれで興味深い「もののあはれ」鑑賞のひと時でした。

 このあと、東京藝術大学美術館の「夏目漱石の美術世界展」(~2013年7月7日)に行きましたが、報告は、少々、あとに。

☆写真は、サントリー美術館特製サクマのドロップの缶。左上、狩野永納「春夏花鳥図屏風 六曲一双左隻(部分)」、下左右、伝尾形光琳「秋草図屏風 二曲一双」、下中、「源氏物語図屏風 須磨・橋姫 六曲一双(部分)」。

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