FC2ブログ
 

みんなみすべくきたすべく

「八月の鯨」 その2

メインの海j

(「八月の鯨 その1」から続き)
(承前)
 試写会で見て以来25年ぶりの「八月の鯨」。ニュープリントのフィルム劇場上映でした。

≪かつて、リビーとセーラが娘の頃は、八月になると、アメリカ東海岸メインの入江にも鯨が来て、二人はそれを見るのを楽しみにしていました。そして、月日は流れ、今や、姉は目が不自由になり、妹は、姉の世話をしながら、あれやこれやと忙しく暮らす老女となりました。≫

 カ・リ・リ・ロにとって、まだ見ぬメインの海。
 マックロスキーの絵本「すばらしいとき」「うみべのあさ」「サリーのこけももつみ」で、出会ったメインの海。
 レイチェル・カーソンの「センス・オブ・ワンダー」の世界。
 そんなメインの海が映像で見られる。という理由で、試写会に足を運んだのだと思います。
 以下、もしかしたら、マックロスキーの絵本を知らない人には、意味不明の文かも・・・

 映画の始まりから、おお!
 鐘のついた沖のブイが、カランカラン、カランカラン・・・おお!
≪スペクタクル島沖の 鐘のブイが 
うねりで ゆれ、
カラン・・・
カラン・・・
カランと、潮の変わり目を告げる。≫(「すばらしいとき」)

 ブイで、いちいち感動していたら、前に進みません。

 目の不自由になった姉のリビーが、プランターのペチュニアに水をやっています。
 おお!ペチュニア!
≪・・・そして、ここでは、はちどりたちが、ペチュニアの 最後の花のまわりで おわかれを つげながら、朝をたたえる歌を うたっている。・・・≫(「すばらしいとき」)

 そして、旧友のティシャが、リビーとセーラの家に来る時、持っていたのが、小さなブリキのバケツ。ブルーベリーを摘みながらやってくるのです。
 おお!「ポリン・ポロン・ポルン!」
 ≪サリーは、なにもいわずに こけももを 三つぶ つむと、ちいさな ばけつのなかへ ポリン・ポロン・ポルン!と、おとしました。≫(「サリーのこけももつみ」)

 
 ・・・・と、マックロスキーの絵本の世界が広がる、広がる。
 もちろん、メインの美しい景色を楽しめるは、老優たちの名演技は楽しめるは、で、「八月の鯨」は、25年ぶりに見てもよかった。配役もぴったりで、特に妹役のおばあちゃん(リリアン・ギッシュ)の可愛い目!キラキラ、好奇心いっぱい!「ラブリー」と、紳士が誉めるのだけれど、まさに、その通り!91歳!

ラストシーンは、素敵です。
尖っていたものが、ゆるゆるとほどけ、
目の不自由な姉が言うのです。「岬に連れて行ってちょうだい。鯨を見たいわ。」
二人は、寄りそって、沖を見ます。遠い向こうを。

☆写真は、アメリカ東海岸 メインの海(撮影:&Co.T)

*「すばらいいとき」(マックロスキー作 渡辺茂男訳 福音館)
*「海べのあさ」(マックロスキー作 石井桃子訳 岩波)
*「サリーのこけももつみ」(マックロスキー作 石井桃子訳 岩波)
*「センス・オブ・ワンダー」(レイチェル・カーソン文 上遠恵子訳 新潮社)

PageTop