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みんなみすべくきたすべく

肖像画

ゴッホj
(「時の娘 その2」から続き)
(承前)
 小説「時の娘」では、はじめ、敏腕警部グラントの勘で、肖像画の男の性質や職業まで推理する箇所がでてきます。

 確かに、肖像画は、ナショナル・ポートレートギャラリー、ジョン・シンガー・サージェントのときに書いたように、モデルになる人の深いところまで読みとれる画家が描くと、後世の者が見ても、肖像画本人に近づける気がします。

 肖像画は、顔の表情、顔の部位だけでなく、身体の位置、肩の傾き、手の位置、指の力加減、足の位置や組み方、服のしわまでも、その人を表現します。傲慢な人、穏やかな人、オシャレな人、自信に満ちた人・・・ま、人物画ではありますが、その中でも、肖像画は、その人の内面を切りとるジャンルでもあると思うのです。

 そして、肖像画を見る楽しみは、その人の背景を知ると、さらに鑑賞の楽しみが増えるような気がします。
 宮殿で見る肖像画なら、その宮殿の歴代の殿さまや奥方だし、美術展で一番初めに飾られているのは、その画家の自画像であることが多い。また、依頼によって描かれたものでも、文豪や音楽家、政治家など、少々なりとも、予備知識があると、ふむ、ふむ、と、さも、旧知の間柄に出会ったような気分になります。
 そんなわけで、キャプションが英語で書かれている、ロンドン ナショナルポートレートギャラリーの膨大な数の肖像画の前では、ついつい知ってる有名人のお顔を探し出し、鑑賞するということに。

 さて、日本では、肖像画展に絞った展覧会が少ないものの、昨年は東京、現在は姫路で開催されている「レーピン展」(~2013年3月30日)では、肖像画が多く、しかも、キャプションが、日本語!なので、肖像画に近づける気がしました。(「レーピン展 肖像画」に続く)

☆写真は、ロンドン コートールド美術館ゴッホ自画像(撮影*&Co.T2)

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