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「塀の中のジュリアス・シーザー」

            486ローマ浴場j
 ドキュメンタリー映画「塀の中のジュリアス・シーザー」を見ました。シェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」*を、イタリアの刑務所の囚人たちが演じます。終身刑の人、まだまだ刑の残る人、最近入って来たばかりの人。殺人、累犯、麻薬売買、組織犯罪・・・
 毎年、オーディションをし、配役を決め、100人以上もの服役囚たちが参加する刑務所内での演劇実習のドキュメンタリーです。囚人たちは、半年間、練習し、最後は、一般の観客に、刑務所の劇場に来てもらいます。

 劇場改修のため、練習は、刑務所内の、あちらこちらで行われます。屋上だったり、図書室のようなところだったり、空き部屋だったり、廊下だったり、それが、余計に、稽古の臨場感を伝えます。シェイクスピア劇なのに、もともとの設定がローマと言うこともあって、古代ローマの野外劇を見ているような感じです。

 また、粗野で荒々しい兵士や、群衆の雰囲気も生々しく、舞台稽古を見ているのでなく、実際のローマ時代に引き込まれていくような錯覚が生まれます。どの人も目の力が半端じゃありません。迫真の演技。
 ローマの兵士に、ぴったりの役者揃いとは言え、結局は、人間が演じる人間の劇。
実際、台詞稽古している途中で、口げんかになったり、過去を思い出したり、面会の後では、ふさぎこみ、稽古にならなかったり・・・

 主役のブルータス役の人は、2000年から14年の刑期を減刑され、今は、現役の俳優となって、活躍中。この映画のために刑務所に数週間戻って来たといいます。
 また、殺人を犯し終身刑のキャシアス役の人は、「終身刑囚の自伝」を出版。その彼が、映画の最後で穏やかに言うのです。「芸術を知ってから、この監獄が牢獄になった。」(マーカス・ブルータスに続く)

*「ジュリアス・シーザー」(シェイクスピア作 小田島雄志訳 白水社Uブックス)
☆写真は、パリ クリュニー中世美術館敷地内にある、ローマ時代の浴場。像は、いつの時代か未確認。

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