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みんなみすべくきたすべく

敷石道に響く音

                457敷石道j
 (「川 その18」から続き)
(承前)
 ユゴー尽いています。以前に読んだ「死刑囚最後の日」 (岩波文庫)も再読してみました。
 岩波文庫には、挿絵がついていませんが、ユーグ版「死刑囚最後の日」には、ユーグ版「レ・ミゼラブル」と同様、挿絵があるようです。(「レ・ミゼラブル百六景」*に一部掲載されています。)
 改めて読むと、「レ・ミゼラブル」の下敷きになったと思われるモチーフがそこここにあります。

 例えば、死刑囚が監獄の病室で過ごしたときに窓の下から、小娘の隠語の歌が聞こえたり、別の受刑人の身の上話に隠語が使われているところです。隠語に関して、ユゴーは、「レ・ミゼラブル」(岩波文庫)で、「第四部第七編隠語」という章を40ページ近くも書いているのです。

 また、別の受刑人というのが、のちの「レ・ミゼラブル」のジャン・バルジャンを思い出させます。≪・・・ある日俺は腹がすいていた。パン屋の窓ガラスを肘で突き破って、パンをひときれつかみ取った。そのパンを食いもしねえのに、終身刑で、肩に三つの烙印の文字だ。・・・≫
(「太陽、春、花の咲き満ちた野、早朝目覚むる小鳥、雲、樹木・・・」に続く)

*「死刑囚最後の日」(ユーゴー作 豊島与志雄訳 岩波文庫)
*「レ・ミゼラブル」(ユーゴー作 豊島与志雄訳 岩波文庫全4巻)
*「レ・ミゼラブル百六景」(鹿島茂 文春文庫)

☆写真は、フォンテーヌブロー宮殿の敷石道
「死刑囚最後の日」に、≪・・フォンテーヌブローの敷石道に響く車輪や馬足の 重々しい音、鞭の鳴る音、鎖のかち合う音、徒刑囚らの旅を呪う群集のわめき声、 それらもしだいに空中に弱まっていった。・・・≫という表現がありますが、ここで言うフォンテーヌブローと、宮殿がイコールなのか、不明です。

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