FC2ブログ
 

みんなみすべくきたすべく

ミュージカル映画 「レ・ミゼラブル」

              442やぎと少女j
 10年以上も前、ロンドンでミュージカル「レ・ミゼラブル」を観たのは、まだ時差ボケも強烈なときでした。案の上、夫は寝てしまい、舞台に近い二階から見下ろすいい席だったのに、夫が大きく舟をこぐのが気になって、落ち着いて楽しめません。また、ストーリーは知っていても、台詞が聴きとれているわけではないので、途中で私自身も睡魔と闘ったときがありました。
  ロンドン・グローブ座のシェイクスピアを見に行くときは白水社Uブックスの小田島雄志訳の本を持参していましたが、さすがに、岩波文庫4冊*や福音館古典シリーズの上下巻*の大作は持って行けなかったし、ヴィクトル・ユゴーの原作と、ミュージカルは、少々異なるのですから、シェイクスピア劇のようにはいきません。

 で、今回の映画「レ・ミゼラブル」は、字幕はつくし、ほとんど全編は歌だし・・・よかったです。
 ミュージカルファン・舞台ファンの方々が、どう思われるかわかりませんが、顔の細かい表情まで見える、舞台ミュージカルを観たような気になりました。普通、映画が終わっても拍手などないのに、しかも、朝一番(9時)で、観客も3割程度しか入っていないのに、拍手が起こったのです。もちろん、私もその一人。涙もでましたが、話を知っているせいか、涙より、歌の力の持つ大きなものに圧倒されたような気がします。

 それぞれの俳優さんがそれぞれ自分で歌っていると言う点にも驚きました。凄い歌唱力。
 以前、英国のスーザン・ボイル女史がBritain's Got Talentというオーデション番組で「I  Dreamed  A  Dream(夢破れて)」を歌うのをユーチューブで見て、鳥肌がたちましたが、映画でファンテーヌ(アン・ハサウェイ)が「I  Dreamed  A  Dream(夢破れて)」を情感込めて歌い上げるシーンは、圧巻です。こちらまで、胸が張り裂けそう・・・で、その日一日寝るまでI Dreamed A Dreamのメロディが、頭の中でぐるぐるぐるぐる。

 ジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)もよかったし、それから、「マンマ・ミーア!」のあの子(アマンダ・セイフライド)、そう、コゼット役の子は、もっと歌ってほしかったなぁ。それでもなんでも、一番泣かせてもらったのは、あの健気なエポニーヌ(サマンサ・バークス)が、歌うせつない恋心。

 ・・・が、しかし、ミュージカル映画「レ・ミゼラブル」にしても、「マンマ・ミーア!」にしても、一番の欠点は、映画館で歌いたくなること。ハミングしたくなること。足で拍子を取りたくなること。ムムムムム・・・・♪♪♪
 
*「レ・ミゼラブル」(ヴィクトル・ユゴー・豊島与志雄訳 岩波文庫1~4)
*「レ・ミゼラブル」(ヴィクトル・ユゴー・清水正和訳 福音館古典シリーズ上下)
*「レ・ミゼラブル百六景」(鹿島茂 文春文庫)

☆写真:パリ郊外、バルビゾン村の道沿いの壁にあったモザイク画「山羊と少女」は、バルビゾン派の一人ナルシス・ディアズ・ド・ラ・ペーニャ(1807~1876)の作品です。ユゴー(1802~1885)と同時代ですが、パリのコゼットと同じくらいの年齢でも、田舎の女の子は、もっと平和に暮らしていたのでしょう。

PageTop