FC2ブログ
 

みんなみすべくきたすべく

菜の花

27菜の花j
♪なのは~な ばたけ~に いり~ひ うすれ~
♪みわた~す やまの~は かす~み ふかし
♪はるか~ぜ そよふ~く そ~らをみれば
♪ゆうづ~き かかり~て にお~い あわし
 この歌、 「朧月夜」大好きです。
 3拍子のメロディが春ののどかなイメージにぴったりです。
 そして、この詩!韻を踏んだり、同じ音を繰り返したり、「さながら」、それ自体が音楽のよう。そしてなにより、この美しい日本語の連なり!
 夕焼けの明るさも薄れていく中、近くの菜の花畑から、視線を遠くに転じると、向こうにぼんやり見える山の稜線。そよ風を感じ、空をあおぐ・・・ああ、朧のお月さま!ゆったり流れる春の空気。
 そして二番。
♪さとわ~の ほかげ~も もり~の いろも~
♪たなか~の こみち~を たど~る ひとも
♪かわづ~の なくね~も か~ねのおとも
♪さなが~ら かすめ~る おぼ~ろ づきよ
 さらに、視線を転じると、人家の温かな光、森の気配、歩を進める人。耳に聞こえるのは、春になって鳴き始めた蛙の声と、遠くに聴きなれた夕刻を告げる鐘の響き、森羅万象、かすみ、更けてゆく・・・(今日も一日いい日だった・・・)
 春が来て、その喜びを歌った歌は数々あれど、この歌は、空間を体感するだけでなく、五感に訴えるだけでなく、時間の推移まで感じることのできる、奥の深い歌です。だから、人の心にも深く残る。
 この詩を書いた高野辰之(1876~1947)は、信州長野の出身です。彼の原風景から生まれた歌は、どれも日本人の心に残る美しい世界です。「はるがきた」「春の小川」「もみじ」「故郷(ふるさと)」

PageTop