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地震、薬草、ギリシャ神話と疫病と

Diane de Gabies アルテミス (2)
(承前)
 ギリシャ神話の登場人物アルテミス本人のことより、どうも、ヨモギが気になって、もう少しアルテミシア属(ヨモギ属)のこと。
 昨日の、日本のヨモギ団子➡➡のヨモギは、Artemisia indica Willdというらしいのですが、手元で調べ得るのは、英米系の文学と植物の関係を書いたもの中心です。そこには、ヨモギ(Mugwort)とニガヨモギ(wormwood)と分けて書いているものもあり、日本も含めて同じArtemisia属。

 そこで、まだ、こだわって書くのは、「花の神話と伝説」(C.M.スキナー著 垂水雄二・福屋正修訳 八坂書房)のニガヨモギ(wormwood)の項に、こんな言葉を見つけたからです。
≪五月にマグワートMugwortを食べよ≫すると、肺病、毒、疲労を防ぎ、敵の矛先や猛獣から身を守り、その他もろもろの悩みを逃れることができる・・・
 おお、5月に、あんなにヨモギ団子食べた理由わかった?今や、「ヨモギ粉」なるものも売ってますから、団子だけでなく、お料理にも使ってみましたしね。何故、5月かは、その項に書いていませんでしたが、新芽がでる春という意味だと思います。

 また、「英米文学植物民俗誌」(加藤憲市著 冨山房)のMugwort(ヨモギ)の項には、
≪マグワートはニガヨモギと違って香りはないが、古くはリュウマチ、子宮病、けいれんなどの薬とし、諸病を治すところから、幸福の象徴とされていた。属名をアルテミシアArtemisiaというとおり、アルテミスArtemis(=Diana ディアナ)にささげ、分娩の苦痛を和らげ、一切の婦人病に効くなど、古くから女性を守る草とされている。≫

そして同じく「英米文学植物民俗誌」(加藤憲市著 冨山房)のWormwood(ニガヨモギ)の項には、
≪属名Artemisiaは、月の女神Dianaのことで、この薬草を月の女神に捧げたことによる。≫

 また、「花の神話と伝説」(C.M.スキナー著 垂水雄二・福屋正修訳 八坂書房)のWormwoodには、
≪学名Artemisia は月の神アルテミスが愛用して自分の名前を与えたという。苦くて虫下しになり、フランスの酒アブサンに入り、防虫剤に用いたり、苦いので乳離れに使った。≫

 で、シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」一幕三場。
≪乳母:・・あの地震があったとき、今から11年前ですが、お嬢様は乳離れをなさった――忘れもしません、一年数ある日のなかでそれがその日でしたよ。あの日、私は乳首にニガヨモギをぬりましてね。・・・お嬢様は私の乳首のニガヨモギをなめ、にがかったのでしょう。ほんとにかわいい、むずがりなさって、私の乳首と喧嘩騒ぎ。そのときですよ。鳩小屋がガタガタっときて・・・・≫(小田島雄志訳 白水Uブックス)

 地震と薬草とギリシャ神話・・・そして、昨年コロナ禍初期段階で紹介したように「ロミオとジュリエット」では、疫病も無関係ではありませんでしたね。➡➡

☆写真は、スイス ヴェヴェイ イエニッシュ美術館 Diane de Gabies:ガビィのディアナ (パリ、ルーブルの物を模したものかと思います。)

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