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みんなみすべくきたすべく

竪琴

アポロンjj

➡➡ 承前)
 牛にまつわる「ギリシャ神話」は、まだ(まだ)あります。
 今回のは、ギリシャ喜劇にはいるようなのですが、アポロンとヘルメスの話。
 今度は、石井桃子編訳「ギリシャ神話」(富山妙子画 のら書店 あかね書房)に入っている話が、一番わかりやすくて楽しい。多分、大人の事情抜きで、語れるからではないかと思います。

 「アポロンとヘルメス――アポロンは、どうしてたてごとを手にいれたか」*アポロンもヘルメスも、母親の違うゼウスの子です。
 ヘルメスがやっと歩けるようになった頃、ヘルメスは草の上にぶちのある亀の甲羅を見つけ、甲羅のへりに穴をあけ葦の茎を結び付け、皮と糸を取り付けて、竪琴を作りました。(*これが、この世に最初にできた竪琴らしい。)
 その晩、ヘルメスはアポロンの白い牛が眠っている牧場まで行き一番立派なメウシ50頭盗みます。痕跡が残らないよう、自分の靴を海に投げ捨て、足に柳の大枝を巻き付けて、砂の上を誰が歩いたのかわからないようにしたものの、牛たちが山へ登ったあとには、足跡が・・
 一方、牛のいないのに気づいたアポロンは、すでにゆりかごで眠っているヘルメスに問いただすも、無邪気に笑うだけのヘルメスを連れてゼウスのところに。ゼウスの前でも、
≪ヘルメスは、まだ、ウシなどはいままで見たことがないし、どんなものか知らないのだ、といいはりました。けれども、そういいながら、ヘルメスは、とてもいたずらそうに、ゼウスのほうを見て、目をぱちぱちしてみせましたので、父なるゼウスは、おなかの底からわらいだしました。するとヘルメスは、たてごとをとりあげて、とつぜんひきはじめました。…≫

 それで、その音楽がとても美しいものだったので、アポロンも感心して、≪こんなに美しい音楽は、50頭のメウシと同じくらいの値打ちがある≫と、ヘルメスの盗みを不問に。それを喜んだヘルメスが、自分の竪琴をアポロンに贈り、アポロンもヘルメスに金の杖を与え、牛飼いの役を任せるという話。(*この金の杖ケリュケイオンについては、また後日。)

 そんな乳児ともいうべきヘルメスの行動(盗み)と知恵(嘘をかくす)には、びっくりですが、他の悲劇に比べ、いわゆるハッピーエンディングなので、ひさしぶりに、スッキリ。(続く)
 
☆写真は、テオドール・シャセリオ画「アポロンとダフネ」(ルーヴル美術館)。アポロンの竪琴が描かれているので、この絵にしましたが、この有名な話には、たくさんの絵や彫刻が残っているようです。が、このダフネは手から樹木に変わっていくパターンではなく、足から木に変わってます。

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