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みんなみすべくきたすべく

思いこんでしまった

ギリシャj
(承前)  今回、牛頭人のミノタウルスからギリシャ神話に近づいたというものの、牛関連の話は多く、ミノタウルスなど特殊事例のような気がするのに、意外と、ここにつながるものも多かった。

 それは、ミノタウルスを迷宮に閉じ込めていたクレタ島のミノス王の出自。
 彼の母親はエウロペ(エウローペー・ユーローパー、ヨーロッパ)。

 美しいエウロパを見初めたゼウスが温和な白い牡牛に姿を変え、近づき、さらっていく話で、フェニキアのエウロペが、ゼウスに乗って飛んでいった西方がヨーロッパ。
 *地中海東海岸辺りが、ここでいう、フェニキア(パレスチナ北方)。

  このエウロペとゼウスの出会いは、数あるギリシャ神話の中でも、印象的・・・だと思っていたのですが、子ども向けではないとの判断があるのか、「ギリシャの神々の物語」(ロジャー・ランスリング・グリーン 山本まつよ訳 矢野ゆたか絵 子ども文庫の会)でも、石井桃子編・訳「ギリシャ神話」(富山妙子画 のら書店 あかね書房)でも、軽く扱われています。が、ナサニエル・ホーソン「ギリシャ神話」では、ページをさき、ロマンチックな恋物語にしています。

 ユーロ―パ(エウロペ)は、≪…落ち着いてよく見ると,雄牛はじつに美しいことがわたってきた。その上、とてもやさしそうな顔をしていると思うようになった。それから、知ってのとおり、牛の息はいつもかぐわしいのだが、その雄牛の息も、バラのつぼみか、あるいはいちばんやわらかいクローバーの花ばかり食べているのか、とてもよいにおいがした。この雄牛ほどにあかるくやさしい目をした、そしてこれほどつややかな白い角をもった牛は、今まで見たことがなかった。雄牛は、ちょっと走ってみたり、まるでじゃれるようにユーローパのまわりをはねまわったり、やさしいこっけいなふるまいをして見せた。そのため、ユーロ―パは、相手がじつに大きくてたくましいことをつい忘れてしまい、ほどなくペットの子羊のようにおとなしいとおもいこんでしまった。・・・≫
 うーん、恋の始まりですね。まだまだ、二人(?)のシーンは続きます。さすが、ゼウスです。

 それで、ゼウスとエウロペの間にできた3人の息子の一人がミノス王。ただし、3人の息子の義理の父親となり、エウロペの夫となったのは、クレタ島の王アステリオス(アステリオーン)。

 牛に縁の深い一族ですが、もう一人、エウロペからつながる牛に縁のある人物と言えば、さらわれたエウロペを見つけ出すために出かけたカドウス。
 妹エウロパを見つけるまでは帰ってはならないと父王アジーノー(アゲーノール・アゲノル)に宣告されたのが、カドウスを初めとした3人の王子たち。結局は、エウロペを見つけられず、それぞれは、それぞれの新しい土地で生きていきます。そして、そこにも牛が・・・(続く)
***父王アジーノー(アゲーノール・アゲノル)は海の神ポセイドンとリビュエ(リビア)の双子の息子の一人。

☆写真は、「ギリシャ神話物語 上下」(ナサニエル・ホーソン 神宮輝夫訳 エドモンド・デュラック絵 新書館)の≪ゼウスの背中に乗るエウロペ≫ この絵、北斎の波を意識してますよね。これじゃ、地中海ではなく、日本海?

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