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みんなみすべくきたすべく

踏ん張った牛

アイガーjj

(承前)
 昨日のように、牛が力強い象徴として伝わる話➡➡は多いのですが、単に、体力的な力強さだけでなく、その心も強いと表現しているお話もあります。
 それは、「いまは昔、むかしは今」(網野善彦・大西廣・佐竹昭宏 福音館)の第三巻「鳥獣戯語」に載っています。やはり今昔物語です。

  夕暮れに、牛小屋に入れられるのを忘れられた牝牛と子牛が、田んぼで草を食んでいると、狼がやってきます。母牛は、子牛をかばおうと、狼の動きに合わせ、ぐるぐる回り。するうち、片方の崖が土塀のように切り立ったところに狼が背を向けたちょうどそのとき、母牛は真正面から寄って行き 突きました。母牛は、満身の力を込めて、狼を角で突き続け、狼は死んでしまいます。
 が、母牛は、狼がまだ生きていると思ったのか、角を突いたまま、夜通し踏ん張ります。
 夜が明けて、牛小屋に入れ忘れたことに気づいた牛の主が見に行くと、狼を追い詰め、まだ角で突いたままの母牛とそばで鳴きながら座っている子牛を見つけます。
 それで、牛の主は「なんとかしこいやつだ」と言って牛をほめ、うちに連れ帰ったというお話。

 第3巻「鳥獣戯語」というタイトルですから、牛の話だけでなく、たくさんの鳥獣の話が載っています。また、大きな目次だけ記します。
 翼あるもの、地を走るもの
 神か神の使いか妖怪か
 狩人・王・荒えびす
 血と肉の祭り、豊穣の祭り
 ”生”の品位
 人と野生をつなぐもの
 楽土の夢想

☆写真は、スイス 向こうにアイガー

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