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乳しぼりの娘

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 コールデコットの「乳しぼりの娘(The Milkmaid)」には、立派な牛が描かれています。それに、ここ何回か書いてきたカケスやカササギ、コマドリやクロウタドリの果たしてきた役割を二匹の犬がやっています。(写真、右隅)

 古謡の「乳しぼりの娘」をコールデコットなりに絵本にしていますが、始まりは、貧乏地主の息子に母親が助言するところ。
――「お嫁さんは持参金付きの人を探さなきゃダメよ」
 それで、息子は、乳しぼりに出かける途中の娘に出会い、「美しい娘さん、どちらに行かれますか?」「ご一緒してもいいですか?」とナンパ。娘の父親が農家のお百姓だと知ると、「美しい娘さん、結婚してください。ところで、持参金は?」と、強引に迫るものの、娘の答えが「持参金は、私の顔よ」と知ると、「じゃあ、結婚できないなぁ」。
 娘は「結婚なんか頼みませんでした!」「頼んじゃいませんよ!」「ぜったいに!」「誰も頼んじゃいませんよ、結婚なんか!」
・・・・というわかりやすいものです。
 最後のところは、その無礼な息子を取っ捕まえ、牛の背中に乗せ、牛は息子を水の中にほおりだし、息子はびしょぬれになってとぼとぼ帰っていくシーン。向こうの牧草地では、娘と他の乳しぼりの女性と牛が一緒になって小躍りしています。

 さて、息子の犬はというと、まずは、お屋敷と思われる部屋の中で主人に甘え→ 馬で出かける横を走り→ 娘に出会ったときには娘の犬と出会い、ちょっかいかけるような風情→主人が娘と並んで馬を進める横で、娘の犬と寄り添い、はしゃぎ、向き合い・・・するも、持参金が顔だと娘が答えた辺りから、二匹の犬にも、ちょっと距離が→ 娘が、犬の主人を追い返すシーンでは、娘の犬は吠え、屋敷の犬は身を小さくし、追いかけられ→そして、最後、娘の犬が吠えるなか、屋敷の犬は、主人と一緒に とぼとぼ。

・・・と、いくら ここで書いても、センダックのいう「コールデコットはイラストレーターであり、作詞家であり、振り付け師であり、舞台監督であり、装飾家であり、演劇人でもあります。とにかく彼はすごいのです。…」が、伝わらないのが残念。(続く)

*「センダックの絵本論」(モーリス・センダック著 脇明子・島多代訳 岩波)

☆写真は、コールデコットの絵本「The Milkmaid」 福音館 (解説書  ブライアン・オルダーソン 吉田新一 辻村益朗、正置友子)

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