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うんがにおちたうし

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「うんがにおちたうし」(フィリス・クラシロフスキー文 ピーター・スピア絵 南本史訳 ポプラ社)
  表紙の跳ね橋の絵から、「オランダの絵本」とわかります。跳ね橋は、ゴッホの「アルルの跳ね橋」が有名です。そして、中には、風車も見える平地が描かれています。が、40年以上前、この絵本を初めて見た頃、丸いチーズが、冷やされることもなく、街の市場に積み上げられているなんて、知りませんでしたから、運河を流されていく牛さんによって、オランダ紀行を楽しめました。

≪ヘンドリは ふしあわせな うしでした。みわたすかぎり、ひらべったい、オランダのはたけの なかで くらしていました。夏じゅう ずっと 草を食べ、冬じゅう ずっと まぐさを たべ、夏も 冬も たべづくめでした。そして まいにち、おひゃくしょうさんの ホフストラおじさんに ミルクを しぼらせて あげました。「クリームみたいに、こい ミルクだよ。すてきな うしだな。」と、ホフストラおじさんは おもいました。「おあがり、おあがり、ヘンドリカ。たくさんたべて、こい 白い ミルクを たくさん しぼらせておくれ。」と、おじさんは いつもいいました。ヘンドリカは おじさんが すきでした。おじさんを よろこばせて あげようと いっしょうけんめい たべました。でも たのしくは なかったのです。≫

・・・で、ある日。草を食べ続けていたヘンドリカは、意図せず、運河に 飛び込んでしまい、仕方なく、土手の草をどんどん食べていくと、運河に浮かぶ大きな箱にぶつかって、それを押していくうちに、ヘンドリカ自身が、箱の中に・・・それで、運河を流されていくことに・・・

 現状に満足しないで逃げ出す乗り物のお話は、「いたずらきかんしゃ ちゅう ちゅう」(バージニア・リー・バートン作 石井桃子訳 福音館)「ちいさな ふるい じどうしゃ」(マリー・ホール・エッツ作 たなべいすず訳 冨山房)など、あります。その「いたずらきかんしゃ ちゅう ちゅう」にも「ちいさな ふるい じどうしゃ」にも、逃げ出した乗り物をびっくり眺めたり、応対する牛さんの絵が描かれています。スピード感のあるこの2冊と、期せずしてゆったり逃げ出した牛さんの絵本「うんがにおちたうし」の違い、面白いですね。
 
ピーター・スピアの絵本の数々、主人公ではないものの、牛はたくさん出てきます。(続く)

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