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カバの木

かばのきj
(承前)
「木の葉のホームワーク」(ケイト・メスナー文 中井はるの訳 講談社)は、自然は素晴らしい教師だというメッセージを持っているのですが、この話に生きて登場せずとも、大きな役割を果たす人物がいます。
アメリカの詩人、ロバート・フロストです。その中でも「樺の木」という詩が、大きな位置をしめています。このことは、2月のブログでフロストを引用した時に書きました。➡➡
 
 ≪(宿題の葉っぱを取るためにジーナは)・・・だらりとたれて、地面に届きそうな枝があったから…(中略)・・・バックパックを放って、まるであたしにぶらさがってくれとたのんでいるような枝に飛びつく。 
と、ジグが言います。「カバの木をゆらす人、ジーナよ!」
あたしは、わけのわからない目つきでジグを見つめ、ゆらゆらしながら、枝にすわろうと足をかける。枝はぐっと下がったけれど、折れなかった。
「『カバの木』。国語の教科書にあるロバート・フロストの詩だよ。」≫

 ジーナには、葉っぱを集める宿題だけでなく、国語の課題に「ロバート・フロストは、この文で何を意味しているのでしょうか。『人は、カバの木をゆらすよりも悪いことをするものだ。』あなたの考えを、一段落にまとめなさい。」というのがあります。
 なかなか難解な課題です。
 ジーナの街から10キロほど離れたところには、フロスト・トレイル(かつてフロストが所有していた森などを整備した道)がありますから、地域の学習の要としても、重要だったと考えられます。
 実際、フロスト・トレイルには、詩が書いてあり、木々には名札がつけられているようです。

 それで、その「樺の木」ですが、「対訳フロスト詩集 川本皓嗣編 岩波文庫」と、今回「木の葉のホームワーク」で一部とはいえ、引用されているのを比べると、カ・リ・リ・ロや子どもたちになじみやすい訳は、「木の葉のホームワーク」の引用の方ではないかと思いました。

≪樺の木が左に右にねじ曲がって、よりまっすぐな 黒っぽい木々の縦線を横切っているのを見ると、誰か子供が木々を揺さぶっていたのだと想像したくなる。≫(川本皓嗣編) 
≪カバの木がゆらゆらとゆらぐ。まっすぐな木々のあいだをぬけていくかのようだ。どこかの少年がゆらゆらしているのだろうか。思いをはせて、ほほえむ。≫(中井はるの訳)
(続く)
☆写真は、「対訳フロスト詩集 川本皓嗣編 岩波文庫」のJohn O'Hara Cosgrave Ⅱの「樺の木」画

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