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白い病

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「白い病」(カレル・チャペック 阿部賢一訳 岩波文庫)
 2020年という特別な年の緊急事態宣言が出された日に訳出され、毎週末WEBで少しづつ公開され、5月中旬には訳出終了。そして、岩波文庫として出版。
 もともとの話自体も、もちろん、臨場感があって面白いのですが、訳にも勢いがあって、時代が全然違うのに、国も背景も違うのに、緊迫感を伴い、一気読み。
 今まで、何冊かの「ペスト」本を読んできましたが、もしかしたら、疫病関連小説(フィクション)で、一番面白かったかも.

 戦争目前の世界で、ペストと違って白い斑点(大理石のような白斑)ができるという未知の疫病がはやり始めます。
冒頭近く、患者がいいます。
≪天罰か!天罰か!いったい、おれが何をしたからといって、天罰を受けるというんだ。たいしていい生活もしていない、知っているのは貧乏暮らしだけ。貧しい連中を罰する神様がいるとしたら、よっぽど変わり者の神さまじゃないか?≫

場面代わって、枢密顧問官が、記者の質問に答えていいます。
≪病原体の細菌がどういうものかまだわかっていない。ただ、とてつもないスピードで広がっているということだけは確かだ。それから動物への感染は見られず、人間でも、すくなくとも若い世代への感染はないこともわかっている。・・・≫
≪パンデミックだ。雪崩のように世界中で流行する病気のこと。いいかね。中国では毎年のように興味深い新しい病気が誕生している。おそらく…≫
≪ん?なに?予防法?それは無理な話だ!ぜったいに無理!いいかね、わたしたちは皆、死ぬ。40歳を過ぎた者は誰もがそういう定めなんだ。ーー愚かな30歳の君には、どうでもいいことだろうが!・・・≫

場面代わって、今度は特効薬を見つけたという町医者(この人が主人公とも言えます)が登場し、特効薬と引き換えに要求したものは???(続く)

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