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みんなみすべくきたすべく

まったく個人的な想い

教科書j
(承前)
 昨日の「たのしい川べ」➡➡についての評論が掲載されていたのは、瀬田貞二(1916-79)の残した仕事を死後まとめた「瀬田貞二子どもの本評論集・児童文学論」 福音館2009年刊)でした。

 この本の一番初めの章「子どもに本を手渡すこと」のその先頭は「もっとも美しい教科書」(上記写真:スイス カリジェ挿絵の教科書 右の絵は、グリム「カエルの王様」)で、その文頭は、カ・リ・リ・ロにとって、忘れない文章なのです。ただ、これは、まったく個人的な想いです。
 ≪フランクフルトから1時間も飛ぶと、もうチューリッヒの上空にあり、午前9時の雲表の上に細長い鋸歯状のアルプスが光って浮き上がってきた。
アルプス15
・・・(中略)・・・・この度は予想をはるかにこえた楽しい経験にめぐまれてきた。まず着いたロンドンでは、ケンジントン公園の秋色の中に、ピーターパンのいるというサーペンタインの長池のあたりを、朝晩散歩しているうちに
ぴーたぱんj
・・・・・(中略)・・・・また、西郊の小村クックハムで時雨をよけてはいった料亭ですてきにうまい料理を供された後、小高いクックハム・ディーンの丘をおりた辺りで、にわかに開けたのは、明るい雨上がりの広い草地の中を流れる、岸柳をつづったテームズの銀色の輝きだった。『たのしい川べ』の小動物たちの舞台である。
ヒキガエル6
・・・・(中略)…チューリッヒを離れて、・・・・マイエンフェルトからローフェルスの村々を歩いた日々は、暖かく晴れて、あちこちの牛の鈴が遠くまで聞こえた。
ハイジ25
・・・(中略)・・・「ハイジの小屋」とよばれる村の家も、最近作られたハイジの泉も、
ハイジ25j
・・・(中略)・・・帰ってから持ちよっただれの写真もが、ここの数が多く、かつ秀作ぞろいであったところをみると、山地の空気のせいもあるらしい。≫

 この一文には、他の訪問地であったフランスやデンマークのことは出てきません。ドイツも少し出てきますが、最後にはスイスのザンクトガレン➡➡ の小さな古本屋のことが書かれているのです。もしかして、瀬田貞二もイギリス・スイス贔屓だった?
  この本を読んだ2009年頃には、ここに出てくる場所に、行ったことがありましたから、瀬田貞二の言うことが手に取るようにわかり、嬉しかったのです。
 
 さて、このコロナ禍で、イギリスもスイスも遠い遠い国になりました。来夏も、多分、無理でしょう。(何らかの都合で渡航の基準を緩めようと、政府はしようとしていますが・・・)そうこうしているうちに、こちらの年齢と体力の問題も出てくるでしょう。が、あの緑、あの青空、そしてあの風を思い出せるだけで、有難いことです。
 それに、今こうして居ても、イギリス贔屓のお友達、スイス贔屓のお友達とのちょっとした交流で、かの地を共有したような気分が味わえるのも嬉しい。さらに、もう一人、イギリス・スイス両方贔屓にされている人も居て、日頃、交流がないにもかかわらず、心はつながっているような気がしています。本当は、今夏、その方、お勧めのホテルに宿泊予定でした。(下の写真に小さく写ってる…。ああ)

シルス13

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