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青丹吉


いかるが8
(承前)
 「古代の朱」(松田壽男 ちくま学芸文庫)➡➡は目から鱗の情報を与えてくれました。
 その一つ、「あをによし」という奈良にかかる枕詞。

「あをによし ならのみやこは さくはなの におふがごとく いまさかりなり」(巻3-328)などで習った枕詞。
あをによしは、奈良にかかる枕詞だから・・・としか、考えもしなかった・・・。
が、青丹吉(あおによし)と書くとなると、当たり前ながら、意味がある。
「青丹吉 寧楽乃京師者 咲花乃 薫如 今盛有」
「青」や「丹」の良きところ奈良なんだから。
 この漢字と平仮名の関係を万葉仮名というんでしたね。が、漢字で書かれた万葉集を、しっかり習ったかなぁ。あのとき、もっと、勉強しておけば、今頃、驚かなかったはず。あーあ。
 が、今また、万葉集を手にとるきっかけになり、先日、奈良に足を運んだ➡➡ ➡➡のも、実は、この本の影響。ま、単純なものです。

 ともあれ、調べると、「青」は、緑で(岩緑青)。奈良は、その岩緑青の産地で、「丹」は土の意という説。が、しかし、「丹」の意味には、赤土しかでてこない。
  はて?が、しかし、この著者の解釈によると、「丹」は華々しい(黄色を伴う)赤・・・つまり朱色。そして、奈良の都の青(緑)や赤に塗られた建物が点在していた、という解釈。
  ***「丹」・・・・硫黄と水銀の化合した赤土。辰砂(しんしゃ)。赤色の顔料。不老長寿の薬(と思われていた水銀の一種)。

 また「よし」の解釈も青丹を強調するもので、意味を持たないとまでいう国文学の解釈もあるものの、じゃあ、「吉」という漢字を見れば、それには、いい意味があるじゃありませんか。
 ということは、「青丹吉」(あをによし)は、この著者のいう解釈が大きな意味を持つのではないかと思うのです。

 先日来、考えてきたように、魔除けとしての赤➡➡を考えると、都の建物が朱色に塗られたのが理解できます。また、そのあと、「丹」のつく地名や川から考察していく著者の論考から、奈良の近くの「丹」の産地を考えると、青だけを考えているだけでは足りないのがよくわかります。

 と、ちょっと考えるようになれたのも、この著者が、地質学者と手を携えて、研究を進めていったことに影響されたかもしれません。正解はない文学の世界で、硬い頭だけで論述していくよりも、分野の違う学問とのコラボは必要かと思います。
 これは、身近な例からも考えていたことです。(続く)

☆写真は、奈良斑鳩 中宮寺

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