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みんなみすべくきたすべく

人間をあらゆるものの中心にしないこと

石2j

(承前)
「丘」(ジャン・ジオノ 山本省訳 岩波文庫)
 個人的には、この本の人間描写には、ついていけないものがありました➡➡ が、自然の表現は、詩的なもので、心に迫るものが多かった。冒頭だけでなく、何回か自然の表現が出てきます。人を表現するときの比喩よりも、こちらの方が、伝わるものがあったので、「木を植えた人」➡➡の時書いたように、著者の自然への思い入れを感じることができたと思います。

≪動物たち、植物たち、そして、石だ!
 樹木、これは強い。樹木は曲がりくねった枝でもって百年ものあいだ空の重力を押し返してきた。
 動物、これは強い。とりわけ小さな動物たちは。動物たちは草のくぼみでたったひとりで眠る。世界のなかでひとりきりで。・・・・(中略)・・・・
石、これは強い。風を共有しあっているあの大きな石たちは、いつ頃からあんなに直立しているのだろうか?千年も前からだろうか?・・・・・(中略)・・・・まだ自分の父親の膝の上で抱かれていた頃、それより前から、この世に存在していたのだ。世界の最初の日を見ていた石たちは、いったいいつから存在しているのか誰にも分からないし、石たちはいつも同じで、変化することもないい・・・・≫

 ここでもやっぱり、「水晶 他三篇 石さまざま」(シュティフター作 手塚富雄・藤村宏訳 岩波文庫)➡➡ ➡➡のシュティフターを思い出します。

 さて、解説によるとジャン・ジオノは、自書「憐憫の孤独」の中でこう語ります。
≪必要なのは、人間をしかるべき位置に置くこと。人間をあらゆるものの中心にしないこと。ただ高さや広さだけはなく、重さ、香り、身振り、魅惑する力、言葉、共感として、山が存在するということを知覚できるだけ謙虚になることだ。河は怒りや愛情、力、全能の偶然、病気、冒険などを備えた人格である。川や泉は人格である。それらは愛し、騙し、嘘をつき、裏切る。それらは美しい。≫ 

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