FC2ブログ
 

みんなみすべくきたすべく

見立ての好きな江戸っ子

       江戸j
 (承前)
「絵で読む 江戸の病と養生」(酒井シズ 講談社)➡➡
 この本は絵が多いので、内容も分かりやすく、また江戸のしゃれっ気も読み取ることもでき、面白かった。
 
江戸時代、日本の医学は、急速に中国医学から西洋医学に接近していきます。
 ≪全身には14経路とその枝が巡り、それぞれが五臓六腑とつながって、全身にくまなく巡ると解釈していた。また、からだは場所によって陰陽が定まり、陰陽は互いに補い、虚実のバランスが崩れれば病になると説明した。こうした身体観を持つ中国では、解剖への関心は低かった。≫とする中国医学の身体観を長く信じてきた日本の医学は、江戸初期、西洋解剖書がオランダ人によって紹介されショックを受けたとありました。
 
 そして、写真の絵なども描かれていきます。この写真は「飲食養生鑑」。
この絵のキャプションには、≪人間の貴人高位でも下賤の身も、また賢くても愚かな者でも、腹の中に備える臓腑は絵のように同じである。便も腹の中にあるうちは汚くない。しかし悪病は飲食の不養生でおこるから、食料を選び、養生して、長命、子孫繁栄を望む。≫

 この写真の絵では見にくいのですが、心臓部分の絵(のどの下 赤い円形部分)には、著者のこんな説明があります。
≪見立ての好きな江戸っ子は体内を社会に見立て、五臓六腑に従って臓腑の説明をしている。心は君主の官で、火に属し、ここから腎、肝、胃、脾、肺に通じる道を出す、万事に通じる大事な所である。心のなかに奉行が座り、頼み事のある町人が平伏している。≫

 また、心臓の右下 水色部分の肝臓と胆嚢の説明には、
≪肝臓と胆嚢は対の臓腑。肝臓は将軍の官で経路を巡らす所であり、すべての食べ物、飲み物はここでこなされる。胆嚢は中正の官で、よく収め、定め、もろもろの身の内のことに決断する。肝っ玉のキモである。肝の中の役人は訴えを聞いて、沈思黙考している。≫

PageTop