FC2ブログ
 

みんなみすべくきたすべく

歴史的背景の影響

鍾馗5
「病が語る日本史」(酒井シズ著 講談社学術文庫)
 (承前)
 この本には、日本歴代の「病」のことが書かれているのですが、感染症のことももちろん、書かれています。
 当然、「ペスト」のことも。

≪ 日本にペストが初めて上陸したのは明治29年。患者は、香港から横浜港に入港した米船の中国人船客。…その後、各地で発生、年末までの2か月で、45人のペスト患者、40人の死亡者・・・・(中略)・・・初めは、ネズミの排泄物からうつると信じられ、東京市は裸足で町を歩くことの禁止令を出し、明治32年には20万匹ネズミ捕獲作戦を立てて、1匹五銭で買い上げることに。その結果1年後の捕獲数は300万匹!また、ネコを飼うことも奨励され、一気に東京市の猫が増えた。≫

 そののち、関西の紡績工場の寮や社宅でのペスト発生によって、日本の産業に大きな打撃を与え、日本経済に影響を及ぼすことが目に見えてきたので、感染経路の研究や、防疫体制の整備を急いだ。そして、明治39年40年に、大阪府が出した防疫費は160万円余。また各所の損害から、全国的防疫体制を真剣に取り組み、昭和2年に最後の犠牲者が出たのを最後に日本のペスト発生は終息。

≪ペスト防疫がうまくいったことは、日本がきわめて早く西洋化したことを物語っているが、日本人はペストの恐怖を十分体験しなかった。このことが日本人の危機意識を中世に激しいペストの洗礼を受け、いまもヨーロッパ各地に立つ記念塔からペストの恐ろしさを知らず知らず伝えられているヨーロッパ人と違ったものにしたのではないだろうか。エイズに対する危機感が日本人と欧米人で違うのは、ペストの洗礼を受けなかったという歴史的背景も影響しているに違いない。≫

うがいや手洗い、マスクや入浴、土足ではない暮らし。破裂音の少ない発声や硬水じゃなく軟水・・・いろんな条件や習慣と、歴史的背景。そして、古代からの遺伝子の問題?はてさて?ともあれ、まだ、この非日常は続く・・・(続く)

☆今日も、北斎87歳の「鍾馗図」です。1846年。思案しているようで、実は、その後、すぐに動き出しそうで・・・朱と、墨で書かれています。

PageTop