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みんなみすべくきたすべく

あとがきのまえがき

 ベリンツォーニj
(承前)
 「デカメロン」の作者ボッカチオ自身の後書き(結び)は、面白い。もし、100話読む気力が湧いてこないなら、ここだけでもで、いかが?
 この後書きの中で、≪第4日の冒頭で言ったように≫、という箇所があり、3日目30話済んだところで、「デカメロン」が世間から風当たりがあったのだとわかります。つまり、4日目で少々(グダグダと)申し開きをし、最後の最後で、主張したと言えましょう。

 このことから、「デカメロン」河島英昭訳 講談社文芸文庫には、収録されていなかった第4日の冒頭を読むために、平川祐弘訳 河出文庫も読むことに・・・先日の「イザベラとバジルの鉢」➡➡の元の話も4日目第5話でした。つまり、河島英昭訳 講談社文芸文庫の「デカメロン」には、第4日の10話がまったく収録されていません。

 では、第4日の前がきから・・・
≪親しいご婦人の皆さま、塔は天に聳えれば聳えるほど風は激しく撃ち、梢は高ければ高いほど、嵐は激しく揺すります。世の荒れ狂う嫉妬の風も同じだと賢人は申します。…(中略)・・・だが、どうやら考え違いでした。私は世の妬み嫉みを買うまいと、常に心掛けてきたのです。そのような荒れ狂う気性の風に叩かれることのないようにと、人生の低地を歩き、深い谷に沿って、進んできました。そのことは私が書いた短いお話をご覧くださいます方々には、明々白々だろうと思います。…(後略)…≫と始まり、
≪・・・・また、賢明な知恵者としてより、侮蔑をこめた悪意の人としてこんな口を利く方もおありです。「ボッカチオはもっと知恵を働かせて日々のパンがどこから手に入るかを考えるべきであって、霞を食うような空しいお喋りはいい加減にせい」というご意見です。かと思えば、私の労作にけちをつけようとして、私が話したことと実際とはまるで違うと力説したりなさいます。というわけで、・・・≫
≪…私は本書の三分の一もまだ仕上げていませんが、なにしろ敵は多数で、押しが強いときているから。本書を完成するまでに私が放置すれば、こちらからの反論、反撃がないのを勿怪の幸いに、その数もいや増すに相違ありません。・・・・≫

などなど、デカメロンの第4日の初めに、書き述べるわけです。で、100話のあとの後書き(結び)は、というと・・・(続く)

☆写真は、スイス イタリア語圏  ベリンツォーナ

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