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みんなみすべくきたすべく

二人を隔てるもの

イザベラj
(承前)
 ラファエル前派集団の画家たちは、キーツの詩に連作挿絵をつけようとしたらしく、それには、「聖アグネス祭の前夜」 や「イザベル、またはバジルの鉢」(キーツ詩集 中村健二訳 岩波文庫)があり、ホフマン・ハントは、昨日の絵➡➡と、もう一枚、上の「倉庫で机に向かうロレンゾ」を描いています。まだ、ロレンゾが生きて、働いているときの絵です。
 
 つまり、昨日の絵「バジル」は、バジルの鉢を抱え、悲嘆に暮れている箇所の絵で、今日の絵「倉庫で机に向かうロレンゾ」は、ロレンゾがイザベラの高慢な兄のもと、倉庫の中で仕事をしながらも、イザベラがそっと入ってくるのに気づいている様子を描います。
 が、恋人たちを隔てる硬い直線。あるいは、二人の間の犬。
 そしてまた、ここには、恋愛事情を表現しているだけでなく、当時、身分の違う恋人たちの仲を引き裂く原因となった階級意識についても描かれているようです。それは、背景に描かれている搾取される側の人々です。これは、次に、紹介する連作挿絵仲間のジョン・エヴァレット・ミレーの「イザベラ」という絵にも登場しています。

(*参考:「ラファエル前派画集 女 」ジャン・マーシュ 河村錠一郎訳 リブロポート)(続く)

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