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みんなみすべくきたすべく

おひさまホテル

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(承前)
「たのしいこびと村」➡➡のエーリッヒ・ハイネマンと、フリッツ・バウムガルテン絵のコンビによる子どもの本は、もう一冊翻訳されています。
「おひさまホテル」(エーリッヒ・ハイネマン文 フリッツ・バウムガルテン絵 石川素子訳 徳間書店)
 こちらにも小人はでてきますが、場所は、こびと村ではなく、小人の名前は、野原小人のトリーです。ネズミも出てきますが、名前のついているのはナガシッポやマキシッポです。
 他には、カミツキという悪党のテン、モグラのアナホリ、ハリネズミのハリー、カエルのケロロ、リスのチョロリ、ミヤマクワガタのガシガシ、ヒバリの歌手ピーチク夫人、キツツキのコツコツ、ハムスターのブクブク、黒ネコのハラペコ・・・名前のついていない、ニジマスやザリガニ、シジュウカラやキリギリス、ツバメやコウモリやホタル、小さな動物たちがたくさん登場。
 そして、このお話の初め、春になった場面では、花たちが口をききます。それが、一年を通したこのお話の始まりにふさわしく、わくわくするものになっています。
≪・・・ことしも春になりました。はやくも,さいしょのマツユキソウが顔を出し、つづいてスハマソウ、クロッカス、アネモネ、ヒナギク、それにセイヨウサクラソウが、みどりの草の間から頭を出して、のびをしています。「あー、よかった!やっと冬がおわったわ。長い長いねむりからさめて、ほんとうにうれしい!」スハマソウはいいました。すると、マツユキソウが言いました。「ぼくはいやな夢を見ていたから、とくにうれしいよ。・・・・≫
 と、花々は夢の話を続けます。

それで、野原小人のトリーは葉っぱのテントで、飲み物などを出すマスターの仕事をしていましたが、みんなの協力もあって、テントのお店から「おひさまホテル」のオーナーに。そのお披露目のシーンの絵が上のもの。≪***テントのお店もホテルの食事もお金はいりません。お客は、木の実や種や、なにかしらを持ってきました。≫

そして、夏が来て、秋が来て、そして、長い冬のための準備をします。
≪トリーは、茶色いクルミ、緑色のカリカリしたドングリ、赤黒い黒イチゴ、ブナの実、モミの木の実、いろいろな植物の種、やわらかな根、キノコなどを、ホテルにはこびました。台所ではゆでたり、かんそうさせたり、煮てびんにつめたりと、みんな大いそがしです。・・・≫

 秋も深まり、霜が降り、クリスマス、そして、雪どけ・・・

そして、冬のさなかにトリーにたすけてもらった小鳥たちは、行くさきざきで、このすばらしい野原のことや野原小人のトリーのこと、そして「おひさまホテル」のことをうたってきかせています。それを、この作者エーリッヒ・ハイネマンは、小鳥たちに餌をあげているときに、耳にしたので、この「おひさまホテル」の話が、本となったというわけです。

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