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みんなみすべくきたすべく

たのしいこびと村

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「たのしいこびと村」(エーリッヒ・ハイネマン文 フリッツ・バウムガルテン絵 石川素子訳 徳間書店)
 この楽しい挿絵のついたお話の本は、ドイツのものです。自然の中では、きっとこんな小人たちやネズミたちや小動物、生物たちが楽しく共生しているんだろうなと、今も思います。ましてや、小さい子どもたちの柔軟な心には、もっと生き生きと伝わり、自分もその仲間となって楽しむことができるだろうと思います。

 なきむし村のねずみ一家のおとうさんねずみのプッツは、国中で作物が採れなくなり、一家がひもじい思いをし始めたころ、亡くなったおとうさんの言葉を思い出します。困ったときには、「こびと村のこびとたち」のところに行って、助けてもらいなさい。
 そこで、おとうさんねずみブッツと一番上の子のピープスは、こびと村への旅に出かけます。
 こびと村で、ブッツとピープスは、こびとたちや他の動物たちに親切にしてもらい・・・帰還。

 ・・・とまあ、話の流れは、こうですが、そこに描かれている自然描写は、生き生きと、眼に見えるように描かれています。

≪背の高いシダ、色あざやかな森の花、コケむした岩、うす暗い根っこのあいだや、キイチゴのしげみをつきぬけて、車はすすんでいきました。ときおり、遠くでカッコウの鳴き声がします。チョウチョウたちが車のまわりを飛び、リスたちがすぐそばまで、すばしっこくかけよってきます。なんてきれいで楽しいながめでしょう!プッツとピープスは、わくわくしてきました。そしてとうとう、こびと村のさいしょの家が見えてきました。ずんぐりとしたキノコの家が二けん。屋根はコーヒー色です。・・・・≫

≪・・・なん本か先の木の下で、ブッツとピープスは、またべつのわくわくする光景に出くわしました。なん百ものアリたちが、こびとたちといっしょに、森のなかでもとくべつに通りにくい場所に、道を作っているのです。アリたちは、生まれながらの建築家で、仕事にむだがありません。みぞに橋をわたしたり、道へあふれだした小川を、わきにそらしたり、土砂でうめたり。アリの小さな斧が石をうつと、カチン、コチン、カチンコチンと小さな音がひびきます。アリたちは早足でうごきまわり、きつい仕事をしているのに、とても楽しそうです。とくべつの重たい石が道をふさいでいるときには、こびともアリといっしょに、とりのぞいていきました。・・・・≫

 それで、ねずみのおとうさんブッツとピープスが、こびと村で親切にしてもらい、たくさんの食べ物を持ち帰り、苦しかった生活を終りにした話は、代々受け継がれました。それを、作者エーリッヒ・ハイネマンが、地下室で耳にしたという話がこの「たのしいこびと村」なのです。(続く) 

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