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モーツアルトのムクドリ

   ウィーン22
「モーツァルトのムクドリー天才を支えたさえずり」(ライアンダ・リン・ハウプト 宇丹貴代実訳 青土社)

 ここでいうムクドリは、日本ではほとんどいないとされるホシムクドリのようですが、農作物を荒らすという理由で、ムクドリは、日本でも害鳥、アメリカ合衆国では、増えすぎで、嫌われもの。が、この鳥は、オウムや九官鳥のように、耳がよく(?)、音の真似もうまいようです。
 
 モーツァルトファンなら、知っていたと思われるエピソードから、つまり、モーツァルトがムクドリをペットとして飼っていて、その子がピアノ協奏曲17番 第3楽章のモチーフをさえずったというエピソードに、著者は迫ろうと、自ら、ムクドリを雛の段階から飼うのです。そして、心を通わせ・・・・というのが、この本の流れです。
 したがって、「モーツァルトのムクドリ」というタイトルは、少々大げさなくらい、半分は、著者の飼育日記でもあります。

 とはいえ、ムクドリが音声模倣のできる種だとよくわかります。
≪鳥のさえずりに関する一般的な説明からかけ離れた、奇抜でありえない音、周辺環境の音をまねるのだ。しかも、どうやら自分の意思で音を選んでいるらしい。音や旋律を教えこもうとしても、ムクドリはそのいくつかを鼻先であしらい、別の音に執着する。不思議なほど聞き分ける能力があり、わたしたちが何を模倣してほしいかなどと、まるで気にしない。≫
≪模倣は、音に対する感性が高いからこそできることで、行動の可塑性と、本能をはるかにしのぐ意識を必要とする。≫ということで、飼育してみてわかる、実際のムクドリが記録されていました。

 さて、この図書館で借りた1冊が、モーツァルトファンが、先に読んだのがわかる箇所がありました。
鉛筆で×を書き、消え入りそうな美しい文字で訂正していました。
≪ピアノ協奏曲ト調をシアトル交響楽団の演奏で聴いた。国際的名ピアニストのイモージェン・クーパーが弾き振りをした演奏だ。≫…ただしくは、ピアノ協奏曲ト長調です。新しい版では訂正されているだろうか?この曲は、この本の主題ですから、先に読んだ人は、この誤植が気持ち悪かったんでしょうね。

☆写真上は、ウィーン 美術史博物館 写真下は、日本のムクドリ

ムクドリj

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