FC2ブログ
 

みんなみすべくきたすべく

すきにならずには いられなくなるよ

マウス一家1
マウスさん一家とライオン(ジェイムズ・ドーハーティ作 安藤紀子訳 ロクリン社)

「アンディとライオン」の作者ジェイムズ・ドーハーティの絵本です。版が小さいので、読み物の本かと思いがちですが、絵が多く、文字数もそれ程多くないので、「アンディとライオン」(村岡花子訳 福音館)が楽しめる子どもなら、同じく楽しめます。

 話は「イソップ」のライオンとネズミの話を下敷きにしています。ネズミのピンチを助けたお礼に、ライオンのピンチをネズミが助けるというもの。ただ、ちょっと時代とお国柄を思うのは、ライオンが助かったとき、≪おごそかに国家や賛歌を斉唱しました。≫とある箇所。(1958年作のアメリカ合衆国の作品)
 
 陽気なマウス一家は家族仲良く楽しそうです。
 ライオンも≪「あんなたのしそうな家族には、このところ ずっとあったことがなかったなあ」と、声にだしていい、それから、にこにこしはじめました。ライオンは、だれもみていないところでは、こうして わらうことがあるのです。≫と、優しい気持ちになります。

 この絵本の初めは、人の服を着たマウス一家のたのしそうな様子が、かなりデフォルメされたタッチで描かれてはいるものの、「アンディとライオン」同様、動きのある生き生きと描かれています。そして、ライオンが登場したところから、ああ、「アンディとライオン」の、あのライオンじゃないの?元気だったのね。

 そして、イソップを下敷きにしているものですから、一言あります。
≪「ライオンは ひどくいばるくさって、いやなやつに みえていたけど、しりあってしまえば、ほかのやつらと、ちっともかわらないようだな。すきにならずには いられなくなるよ。」≫

 今、ここを読むと、かの国は、このスピリットがいまだに浸透していなかった現実を考えます。
 ほかのやつらと、ちっともかわらないようだな。すきにならずには いられなくなるよ。(続く)

PageTop