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みんなみすべくきたすべく

コケの強み

こけ4j
「コケの自然誌」(ロビン・ウォール・キマラー著 三木直子訳 築地書館)
(承前)
 「コケの自然誌」が面白かったのは、何もネィティブアメリカンの考え方に触れたからだけではありません。著者のコケに対する愛情が、苔の素人にも伝わり、興味深かったからでもあります。

≪コケが小さいのは、上に伸びるのを支える器官をもたないからだ。・・・・・木が高くしっかりとそびえるのは、維管束組織があり、木部組織が張り巡らされ、壁の厚い尿細管細胞が木製の配管設備のように木の内部に水を運ぶからだ。コケは最も原始的な植物で、そういう維管束組織を持っていない。その細い茎は、あれ以上伸びれば重さを支えられないのだ。・・・・けれども、小さいからといってそれは失敗したことにはならない。コケは、どんな生物学的尺度で見ても成功している――地球上、ほとんどすべての生態系にコケは存在し、その種類は2万2000にのぼるのだ。・・・・コケは表面に生息する。岩の表面、樹皮、倒木の表面など、地面と空気が最初に出会う小さな空間だ。空気と地面が出会うこの場所のことを、境界層という。コケは岩や倒木と片寄せあって生えており、その形や特性をよく知っている。小さいということが不利であるどころか、コケはそのおかげで、境界層の中に形作られた独特の微環境をうまく利用することができるのだ。≫

 個人的には、小さいものの味方をする考えが好みなものですから、納得しながら読みました。そして、コケの湿った葉が二酸化炭素を容易に吸収できること、コケは、他の植物がその大きさゆえに生息できない空間を自分の場所とするなど、コケの小ささ、その限界こそがコケの強みだというのです。パチパチパチ(拍手)

 そして、≪コケは水分の98パーセントを失っても枯れず、再び水分が補給されれば、元の状態に戻る。≫とし、標本キャビネットで40年脱水状態にあったコケのことを紹介しています。ここを読んで、また納得。我が家のプランターでさえも以前の家から付いてきていましたからね。(続く)
☆写真は、スイス アルメントフーベル。点在する岩の表面やその割れ目にコケが生えているのが見えますか?

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