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みんなみすべくきたすべく

その名前を知ることが第一歩

こけ3j
「コケの自然誌」(ロビン・ウォール・キマラー著 三木直子訳 築地書館)
(承前)
 この本の底流を流れるネィティブアメリカンの哲学は、現代の人に重く響きます。
≪…(現代の)私たちはもはや植物の名前すら知らない。平均的な人が知っている植物の名前はせいぜい12、3種類で、しかもその中には、「クリスマスツリー」などというものが含まれていたりする。名前を忘れるというのは敬意を失うことに繋がる。植物との繋がりを取り戻すには、その名前を知ることが第一歩だ。≫

 ここで思い出すのが、シオドーラ・クローバー『イシ-北米最後の野生インディアン-』 (行方昭夫訳、岩波)『イシ-二つの世界に生きたインディアンの物語-』(中野好夫・中村妙子訳、岩波)
 ネィティブアメリカンの最後のヤヒ族といわれる「イシ」ですが、自分の名前をみだりに他人に告げることはない種族でした。白人学者に協力し穏やかな半生を過ごすものの、そのあとの解剖だとか博物館との関わりを考えると、上記でいう、名前と敬意という奥の深い問題を、「イシ」は知っていたのだとわかります。・・・・「イシ」も読み返さなくちゃ・・・・あーあ、またつながっていく。

閑話休題。
≪ ネィティブアメリカンの人々は、大きいものも小さいものも含めた植物が、再び人間に恵みを与える責任を果たしてくれたことに感謝をささげるために集う。…・口頭伝承から学べること。書かれたものの中から学べること。植物から学べること。そして、私たち人間もまた、私たち自身が果たすべき役割を意識してもいい頃だ。互恵というクモの巣において、私たちが持つ特別の力、お返しに私たちから植物に差し出せるものとは何なのだろう。
  人間の役割とは、尊敬することと管理すること。生命を寿ぐ形で世話することが私たちの責任であると。植物を利用することは、その性質に敬意を表すことである、と私たちは教わる。・・・・・・・≫

 ああ、この本は、かつて「センス・オブ・ワンダー」(レイチェル・カーソン文 上遠恵子訳 新潮社)「沈黙の春」(レイチェル・カーソン 青樹 簗一訳 新潮文庫)➡➡を初めて読んだ時と同じくらいの重さと深さを目の前に差し出してくれました。(続く)
☆写真は、スイス ギースバッハ

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