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みんなみすべくきたすべく

いわば誠実に素直に進行する。

シュタインj
「いいなづけ」( マンゾーニ 平川祐弘訳 河出書房新社)
 (承前) 「いいなづけ」の訳者解説より後にある付録のフーゴ・フォン・ホーフマンスタール【マンゾーニの『いいなづけ』】という一文は、1825年から27年にかけて発表された「いいなづけ」の百年後に書かれているようです。
≪彼の(マンゾーニの)世界的名声は前の一詩と後の一小説にもとづいているのだが、その名声は1世紀たった今日では揺らぐどころかむしろいちだんと確実に安定した感がある。・・・・(中略)・・・・小説の方は何千もの人々が読み、つねに新たな読者を獲得してゆく。それだから『いいなづけ』という小説は、それが刊行された年に世界を征服したように、百年後の今日もなお当時と同じく、全世界に向けてイタリアを代表する文学作品となっている。・・・・≫

≪この小説の中では、思想も性格も、それだけがひとりだけ目立って読者の興味を惹くというようなことは許されていない。この小説は、ひたすら冷静で、いわば誠実に素直に進行する。…≫

 そして、ダンテ「神曲」フィールディング「トム・ジョーンズ」ゲーテ「ヴィルヘルム・マイスター」とともに、ウォルター・スコットと比較し、加えて、フーゴ・フォン・ホーフマンスタール自身と同国人であるシュティフターを出し、マンゾーニ『いいなづけ』とシュティフター『晩夏』➡➡は、郷土愛から生まれた芸術作品とはなにかという観念のようなものを引き出すことができるとしています。
≪シュティフターの場合がオーストリア的特性の一秘密であるように、このマンゾーニの場合もイタリア的一秘密なのである。≫

うーん、そうかぁ・・・シュティフターの「みかげ石」にペスト禍のことが書いてあるので、次は、それのつもりだったカ・リ・リ・ロとしても、シュティフターファンの一人としても➡➡⇒⇒この読書の連鎖は嬉しい。が、その前に、フーゴ・フォン・ホーフマンスタールの書いた「チャンドス卿の手紙  他十篇」(檜山哲彦訳 岩波文庫)も 読んでみました。(続く)

☆写真は、スイス ドイツ語圏 シュタイン・アム・ラインのおうち

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