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英国貴族、領地を野生に戻す

けんじんとんG12
 ポターのことを書き続けているとき、新聞の書評にでたのが、「英国貴族、領地を野生に戻す」(イザベラ・トゥリー著 三木直子訳 築地書館)でした。

 ポターは裕福な生まれでしたが、貴族ではありませんでした。が、印税で、湖水地方の土地を買い、その自然を守ろうとした姿勢は、現代の「英国貴族、領地を野生に戻す」に共通するものがあると思いました。

 素人から見たら、湖水地方のゆったり広々とした自然だけなく、ロンドンすら緑が多いと思うのですが、「英国貴族、領地を野生に戻す」では、現代は、人間が手を加えてきた結果の自然だ言います。そういえば、緑多き公園もそう、牧草地もそう、ましてや、農耕地は、人の都合で成り立っています。人はつい、自分も自然の一部だということを忘れ、収益率の高い畜産や農業を目指してきたのでしたね。

 そこを一歩すすめ、著者とその夫は、彼らの土地の自然を、人の手が加わらない形、野生に戻すという形で取り組みました。その貴族の領土、土壌を野生化する記録が、この本です。貴族で大きな土地を持っていたからこそできたことではありますが、ともかくも、勇気と決断を必要とした活動は、今このとき環境問題を考える上で、大きな一石となっています。

 彼らの領土はクネップ Kneppといい、住まいはクネップキャッスル。イギリスの南部、ロンドンの南 ウエストサセックスにあります。代々、農業に使っていた土地を2003年から、まずは休耕させ、野生化計画を進めていくというものでした。つまり、この本は、2018年に本国で出版、2020年1月に日本で翻訳出版という、まだまだ進行形のドキュメンタリーでもあります。
 本の巻頭には、数々の動植物の写真があって、野生化された牛や馬の写真は、英国の現代なのかと目を疑うほど。ましてや、彼らのHPを見ると、ほんとに英国?と思うような、元気いっぱいの鹿をはじめとする動物たちの動く姿を見ることができます。

 本には、その太っ腹な計画が進められていく過程が書かれていてるのですが、きっかけは、イギリス文化の奥深さでした。とっても、単純なことでもあります。(続く)

☆写真は、ロンドン ケンジントンガーデン

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