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みんなみすべくきたすべく

対抗意識

農場にくらしてj
(承前)
「アリソン・アトリーの生涯」(デニス・ジャッド著 中野節子訳 JULA出版局)の序を読むと、あれ?この著者デニス・ジャッドも、「ビアトリクス・ポターの生涯」(猪熊葉子訳 福音館)で、ポターを辛辣で無礼➡➡と書いた、マーガレット・レインのような人かなと、思いました。
≪彼女は(アトリー)は、ときには親切で思慮深い愛すべき人物であり、楽しい仲間と刺激になるような友人が常にまわりを囲んでいた。しかし、同時に、支配的で皮肉に満ちた人物でもあり、ひどく厳しく計算高かった。彼女の課す要求に完全に応じられる人など、ほんのひとにぎりだったのである。・・・・≫

【** ただ、この評伝は、主に、アトリーの日記を資料にし、ポターより時代が進んだゆえに(1986年)、新聞などの書評からも、考察されているので、マーガレット・レインのものよりは、客観的なものかと思います。】

 さて、出版の仕事においても、アトリーは、ハードルの高い人であったとあります。これは、ポターが、ピーターラビットシリーズを出版する上でも、同じように、編集者と厳しくやりとりをしていたので、➡➡ ので自分の作品に誇りと自信をもって臨む姿勢は、芸術家・作家に共通していると理解できます。
 が、しかし、アトリーは、≪少なからぬ影響で受けたであろう他の作家に対しては、猛烈な対抗意識をもっており、自分が創り出した動物の主人公たちが、かのビアトリクス・ポターのそれに似ているという指摘には我慢ならなかった。≫とあります。
  
 当時の新聞の書評に≪ビアトリクス・ポターの模倣品≫とされたとき、怒りのあまり、アトリーは新聞を切り裂いてしまったり、そのあとも、何度かポターと比較され≪アリソン・アトリーの描く小動物は、ビアトリクス・ポターの作品から、直接的に派生してきたものだ≫という言葉に憤慨しているとあります。

 そして、ポターに対する対抗意識だけでなく、出世作となった「リトル・グレイ・ラビットシリーズ」➡➡の画家マーガレット・テンペストとも、摩擦が多かったようです。(続く)

☆写真は、アリソン・アトリー「農場にくらして」(上條由美子・松野正子訳 岩波少年文庫)画は、チャールズ・タニクリフ。
アリソン・アトリーは、マンチェスターで開かれた展覧会で、この画家の作品を初めて目にし、この画家は、後に彼女の多くのエッセイ本に挿絵を描くようになりました。
 

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