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みんなみすべくきたすべく

自然教育

ヒルトップ12
(承前)
 長々と「ビアトリクス・ポターの生涯  ピーター・ラビットを生んだ魔法の歳月ー」(マーガレット・レイン著 猪熊葉子訳 福音館)、と、「ビアトリクス・ポター 描き、語り、田園をいつくしんだ人」(ジュディ・テイラー著 吉田新一訳 福音館)を紹介してきましたが、この2冊に、書かれていなかった大きな視点があります。
  それは「ピーター・ラビットの野帳  フィールドノート」(ビアトリクス・ポター絵 アイリーン・ジェイ  メアリー・ノーブル  アン・スチーブンソン・ホッブス 文  塩野米松訳  福音館)➡➡に書かれています。

 ポターが、ナショナル・トラスト自然保護運動や、慈善事業に尽力した素地のことです。
 我々は、彼女が親しくしていたローンズリー牧師の影響と、作家としての印税を湖水地方の土地を購入し続け、その自然を守ったことが、今のナショナルトラスト運動だと知っていますが、その湖水地方には、もともと、文化的先人がたくさんいたことも忘れてはいけないことだと思います。

 詩人のワーズワースや思想家のラスキンなどなど(他、個人的に知らない人多数)が居たのですが、その人たちの原稿や稀覯本、絵画等など、保存する教育分野の慈善団体アーミットライブラリーなるものが存在しました。(今も、ポターの寄贈作品などが展示される博物館としてあります。)
 そのアーミットライブラリーは、メアリー・ルイ―ザ・アーミットという女性の遺志を継いで、彼女の二人の姉の希望に基づき会員制貸し出し図書館として創立され、後に、近郊にあったアンブルサイド・ラスキン図書館を吸収しています。

 このアーミット三姉妹ソフィア、アニー・マリア、メアリー・ルイーザは、当時、すべてアマチュアでしたが、植物画家であり、論文を書く研究者であり、鳥類研究家でもありました。「ピーター・ラビットの野帳」には、ソフィア・アーミットの描いた絵が何枚か掲載されていて、彼女の才能を見ることができます。また、ポターと同じく「きのこ」の絵も描いていて、これも掲載されています。
 
 このアーミット・コレクションは贈与と寄贈で成長していき、会員も広がっていきました。ポターが会員になったのは、ずっと後の、すでに会員だった夫ヒーリスと結婚してからでしたが、その時には、湖水地方の鉄道敷設に反対しアーミットライブラリ―の教育委員だったローンズリー師が居たのです。(もともと、ポター一家とローンズリー師は親交がありました。)

 そのローンズリー師が崇拝していたシャーロット・メイソンという女性(モンテッソーリ教育につながっています)の信念は、
≪教育の中でもとりわけ自然教育は重要な位置を占めている≫でした。(続く)
☆写真は、英国 湖水地方 ニアソーリ―村(撮影:&Co.I)
 

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