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ピーター・ラビットの野帳

きのこj
(承前)
 この際、ビアトリクス・ポターのネズミの絵本だけでなく、もっと、角度を変えても、ポターを見てみたいと思います。
ピーター・ラビットシリーズとは、趣を異にする「ピーター・ラビットの野帳  フィールドノート」(ビアトリクス・ポター絵 アイリーン・ジェイ  メアリー・ノーブル  アン・スチーブンソン・ホッブス 文  塩野米松訳  福音館)は、ポターの自然環境保護のルーツや、彼女が描いた菌類の絵と共に、絵本から見たポターと、一味違う彼女の才能に、驚かされます。

 芸術に秀でる人は、優れた五感を持っていると思いますが、彼女は、人並外れた観察眼も持っていたと思われます。しかも、ただ、描いただけでなく、その菌類(主に、きのこ)について、論考し、絵を残しています。

 が、しかし彼女の論文のその後の詳しいことはわかっていず、ロンドンリンネ協会の議事録によれば
≪「ハラタケ属の胞子発生について」と題された、ミス・ヘレン・B・ポターの論文は1897年4月1日読み上げらています。女性だったので、ビアトリクスは自分で発表することもできませんでしたし、会合に出席することもできなかったのです。代わりにジョージ・マッシー氏が読むことを引き受けてくれましたが、当日の発表の中心はシスルトン・ダイヤ―氏でした。ビアトリクスのスケッチが会員の前で紹介されたかは不明で、リンネ協会にも、論文に関する資料は何も残っていません。≫

はあ?ひどい扱いです。
今、この現代の日本でもいまだ、医学部入試差別が厳然と残っていた(いる)ように、女性と学問は、さらに距離があった時代、しかも当時30歳前後の女性の研究でした。当時の学者たちと議論したいものの、相手にされず、のちになってやっと、彼女の論考の正当性が認められていくのです。

 それで、当時のキノコの専門家たちの多くを、リスペクトできなかったポターでしたが、唯一、まともな議論、あるいは、キノコなどの提供のやり取りしていたのが、郵便配達夫のチャーリー(チャールズ・マッキントッシュ)でした。(続く)

☆写真は、「ピーター・ラビットの野帳」の上に、我が家で収穫した「しいたけ」置いています。しいたけの菌床(冬場限定)を買って、暗いところに置いていたら、何回か収穫できるので、冬のお鍋に重宝しました!

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