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みんなみすべくきたすべく

マグレガーさんと バルナバス・ニクヤ船長

こぶたのロビンソンのj
(承前)
 ところが、ポターのピーター・ラビットシリーズにたまに出てくる人間の名前は、ちょっと苦労もあったようです。

 ポター自身が、ピーターが生まれてから、その人気に至るまでのことを思いかえす手紙の中にあります。
≪・・・・とりわけ名前なんかは、もうあたりまえのように決まったんです!〈マグレガー〉という名のお百姓の知り合いは、私には一人もいませんでした。髭をはやした園芸家のなかには、この愛称に憤慨した人もあったようですが、どこからそんな愛称が生まれたのか、自分でもわかりません。……(中略)・・・・どこにもさしさわりのない名前を見つけたり、考えだしたりするのは、とても大変です。作中人物のなかには、現実を軽く風刺したり戯画化したものが多少ありますが、〈マグレガーさん〉はちがいます。…≫「ビアトリクス・ポター   描き、語り、田園をいつくしんだ人」(ジュディ・テイラー著 吉田新一訳 福音館)

 ポターにとって、あたりまえのように決まる名前も、人間だと、その後がなかなか大変だったようですね。だからなのか、シリーズに人物登場は、ほとんどない。
 人間で、名前のついているのは、先のマグレガーさんと、「ティギーおばさんのおはなし」(石井桃子訳 福音館)に出てくる、お人形みたいな女の子ルーシーと、「2ひきのわるいねずみのおはなし」(石井桃子訳 福音館)の最後に出てくる農家のバレイショさん。

 が、しかし、最後の出版になった長編「こぶたのロビンソンのおはなし」(まさきるりこ訳 福音館)に、今までに比べたくさん出てくる人たちには、名前があります。
 年取った漁師のサムと奥さんのベッツィおかみさん、家政婦さんのミス・ローズ、お年寄りのパぺリルさん、パーキンズ奥さんと女の子のサラ・ポリー、バルナバス・ニクヤ船長などなど。

 うーん、結構、お年寄りが多く名付けられているところを見ると、ポター自身(1866~1943)も、1930年版の「こぶたのロビンソンのおはなし」においては、吹っ切れてきたのかな…(続く)

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