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評伝というもの

ポター1 
➡➡ 承前)ビアトリクス・ポターの評伝で翻訳されている主な二冊は、「ビアトリクス・ポターの生涯  ピーター・ラビットを生んだ魔法の歳月ー」(マーガレット・レイン著 猪熊葉子訳 福音館)「ビアトリクス・ポター 描き、語り、田園をいつくしんだ人」(ジュディ・テイラー著 吉田新一訳 福音館)です。

 これらを読むまでもなく、絵本のピーター・ラビットシリーズを手に取れば、彼女がイギリスの自然と、小動物たちを愛してやまなかったことがわかります、
 ピーターラビットシリーズの制作は、彼女の人生の中で、ほんの何年かにすぎなくとも、彼女が晩年に至っても、ひつじの育成に力を入れ、自然環境を守るナショナルトラスト運動の一端を担っていたことを考えると、彼女の生涯は、イギリスの自然と共にあったと思います。彼女の自然を守り、保持していこうとする姿勢は、今、改めて、現代の我々に示唆することも多いと思います。私財を投じて、自然を守る、自然から得た財産を自然に返す・・・彼女の遺骨が、丘のどこに散骨されたのかは、永遠にわからない・・・というトピックにしても、自然の中の住民の一人だった彼女が、愛する場所に戻っただけのこと・・・
 
 ただ、先に出版されていたマーガレット・レインという人の「ビアトリクス・ポターの生涯ーピーター・ラビットを生んだ魔法の歳月ー」だけを読んだなら、ポターという女性が、頑固な女性というイメージが強い。芸術家ですから、ある意味、頑なな信念は必要だと思うので、初めて読んだ1986年ころには、さもありなんと思うばかりでした。
 
 1992年に初めて、このピーター・ラビットの舞台になったー英国湖水地方を訪れた時も、この評伝が支柱の一本となって、出かけていたと思います。お話の舞台になった地域の地図も含め、この本には、たくさんの作品につながる情報もありましたから。

 ただ、今読み返してみると、何冊かのピーターたちの作品解説、レズリー・リンダ―が解読したポターの暗号で書かれた日記によるアプローチ、ポターのスケッチや家族写真なども掲載されていますが、当時の様子を伝えるポターとは無関係の画や情報も多く掲載されています。

 そして、時を経て出版されたもう1冊の「ビアトリクス・ポター 描き、語り、田園をいつくしんだ人」(ジュディ・テイラー著 吉田新一訳 福音館)には、本人の写真だけでなく、本人の絵が多く掲載され、また、現代の関係者(多くは子どもたち)の写真も掲載され、手に取った印象が違います。
 2冊の評伝のこの差は、ポターに近づく上で、今更ながら、大きな違いにつながることを、書いてみます。結局、評伝は、著者の主観で書かれたものであるということに気づく機会でもありました。(続く)
 
☆ピータ・ラビット100周年の記念に作られたもの(非売品)で、その年に、ちょっとした作文を書いた記念にもらいました。近日中にも、中に入っていた当時の絵手紙の複製など、登場します。 

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