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みんなみすべくきたすべく

三時知恩寺

冬1
(承前)
 尼門跡 光照院➡➡のすぐ近くにあるのは、やはり尼門跡の三時知恩寺(さんじちおんじ)。三時???・・・・これは、一日6回の勤行のうち、昼の三回(三時:みとき)をこの寺で行うことになったことに由来する名前。

 ここも尼門跡なので、こじんまり、こざっぱり、おお、ここには、小さな涅槃図がありました。この時期ならではです。➡➡ ⇒⇒
 この表具の周りは、華麗な牡丹の絵で、涅槃図と言えども、お寺に大々的にあるものと違い、床の間にぴったりの可愛いもの。とはいえ、下部の動物たちのなか、ちゃーんと、ネコはネズミをにらんでおりました。➡➡
そして、涅槃図の下には、子どもたちを楽しませるための江戸期の妖怪絵巻。
本堂には、狩野永納作の六曲一双の「四季花鳥図屏風」。これも門跡ならではの、華麗な花鳥図。尾の長い鳥、金箔地に優美に描かれています。

さて、書院は、一の間、二の間、三の間、とありますが、まず、源氏物語扇面貼交襖(せんめんはりまぜぶすま)といって、源氏物語を扇に描いたものを絵の部分だけ貼った襖も、なかなか華麗で、優雅です。源氏物語を古筆でずっとやり続けている身でありながら、その扇面が、どの場面か、特定しにくいのが、情けないものの、壁の色も優しい桃色の可愛いお部屋を楽しみました。

二の間と三の間の仕切りの杉戸絵は、片面が鶴、片面が亀となっています。円山応挙の筆とか…
そして、シンプルな二の間の隣、奥まった部屋、三の間は、「魞漁図」(えりぎょず)いう円山応挙の襖絵。
これは、もし、当時のきれいなままだったら、どんなに美しかったでしょう。琵琶湖の青い水が、下部に広がり、ところどころ、赤い紅葉が見えます。背後にはどっしりと比叡山。尼門跡にしたら、雄大な雄々しい感じの絵かもしれませんが構図より、多分初めの色合いの美しさは、優しい気持ちになれる豊かさだったに違いありません。金粉部分は残っていますが、湖の青さの退化が、本当に残念。襖絵の宿命とも言えます。
 ここが、旧入江御所であり、入り江で、漁をする魞漁方法の襖絵だったのが、お洒落。それも、一番奥の部屋。
 
 それにしても、いつも思うこと。京都は、どんな小さな寺院でも、お宝があります。

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