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のねずみチュウチュウおくさんのおはなし

ぽたー2
(承前)
 ビアトリクス・ポターの描く小動物たちには、たいてい、一人前(失礼!)の名前がついていて、それが、また、リズミカルな愉快なものが多い。
 昨日の「ひげのサムエルのおはなし」➡➡で、サムエルの奥さんの名前は、アナ・マライア。猫のお母さんは、タビタ・トウィチットさんで、子どもは、トムにモペットに、ミトン。それにお客のリビーおばさん。
 「ジンジャーとピクルズやのおはなし」(石井桃子訳 福音館)で、お店を引き継いだのは、ニワトリのヘニーペニーさん。
 「こぶたのピグリン・ブランドのおはなし」(まさきるりこ訳 福音館)には、ピグリンとピグウィッグに加え、ペティトーおばさんに8ひきのこぶた女の子の名前は、ブツクサとチュクチュク、キュウキュとブチ。ピグリン・ブランド以外の男の子の名前は、アレクサンダーに、トントンとシリキレシッポ。「カルアシ・チミーのおはなし」(石井桃子訳 福音館)は、チミーとカアチャン。それに、チピー・ハッキー。それから、それから、あひるのジマイマやリスのナトキンなどなど・・・
 ネズミの絵本では、「2ひきのわるいねずみのおはなし」(石井桃子訳 福音館)の、トム・サムと奥さんのハンカ・マンカ。
 「フロプシーのこどもたち」(石井桃子訳 福音館)に至っては、つまり、ピーターの姉妹のフロプシーと結婚した従兄のベンジャミン・バニーの子どもたちで、ピーターの甥や姪・・・名前をいちいち覚えていない!!(と、表現されています。)が、本文の重要な役回りの野ネズミの名前がトマシナ・チュウチュウ。
 そして、この野ネズミが、その功労の結果(?)「のねずみチュウチュウおくさんのおはなし」(石井桃子訳 福音館)では、主人公!そこに出てくる まるはなばちはバビティ・バンプル、かえるはジャクソンさん・・・

 ともあれ、野ネズミのチュウチュウおくさんは、家ネズミよりずっと 綺麗好きで、やかましやさん。
ごみむし、赤いマントを着たてんとうむしのおばあさん、大きな太ったくも・・・・いろんなお客(呼びもしないのに…)がやって来るたびに、追い払います。

 が、カエルのジャクソンさんは、なかなか帰ろうとしないので、とうとう、「ごはんをあがっていらっしゃい」と言わなければならないチュウチュウおくさん。戸棚をあさるジャクソンさんが床につけたぬれた足跡を拭いて歩くチュウチュウおくさん。家じゅう、散らかってしまって、悲嘆にくれて寝るも、次の朝早く、起きたら「春の大掃除」をはじめ、2週間頑張ったチュウチュウおくさん。5ひきのネズミのお友達を読んでお茶の会をするチュウチュウおくさん。そのお茶会に呼ばれず、入ることもできなかったジャクソンさんにも、最後はどんぐりのコップに、草の茎からとった甘い水をあげたチュウチュウおくさん。
(ジャクソンさんは「さて、やれやれ チュウチュウおくさん!あなたのごけんこうをいわって いただきます!」)

 こまごまと神経質でやかまし屋さんとはいえ、ちゃーんと、気配りもできるチュウチュウおくさん。ただの嫌なおばさんで終わらないところが、ポターの作品の魅力です。小動物への愛を感じます。
 ここに、人間は一人も出てこず、いろんな昆虫が出てくるのも、ポターの自然への愛だと思います。(続く)

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