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ひげのサムエルのおはなし

ぽたー1
 
 このブログでも何度か紹介している➡➡   ➡➡
ピーター・ラビットでお馴染みのビアトリクス・ポターの描く小動物は、デフォルメされた いわゆる「かわいい!」というような動物ではありません。

 彼女が、小動物やその周りの自然を観察し続けた(共にあり続けた)結果の画です。したがって、擬人化された小動物たちは、服こそ着ていますが、彼らの動物の生態を明確に見せてくれているという面があります。もちろん、動物図鑑ではありませんから、生態を踏まえたおはなしの世界です。

 しかも、日本の子どもにとっても、ピーター・ラビットのシリーズ全24冊が石井桃子訳まさきるりこ訳であったことは、なんと、幸せなことでしょう。声に出して読んでもらってこそ、楽しめるのが、子どもの本です。絵本だからです。ちなみ、シリーズ全ての訳が出ているのは、日本だけとか。

 さて、シリーズの中で、ネズミがいろんなシーンで登場しますが、ネズミが重要な役割を果たしているのも何冊かあります。ちなみに昨年は、猫が出てくるものを紹介しました。➡➡ ➡➡ ➡➡

 まず、「ひげのサムエルのおはなし」(ビアトリクス・ポター作・絵 いしいももこ訳 福音館
 ≪ねこまきだんご≫という、一度聴いたら、忘れられない言葉。
 大きな大きなネズミなら、小さな子猫のことを、≪ねこまきだんご≫にしてしまいかねない、可笑しさ。
 それに、忘れられないのが、≪ねこまきだんご≫にされかかったトムは、生涯ネズミが怖かったという結末と、他のきょうだいふたりモペットとミトンは、ネズミ捕りの名人になり、ネズミ捕りの稼ぎで、安楽にくらすことができ、捕まえたネズミのしっぽはコレクションしていたというシビアな結末。
また、酷いことをするひげのサムエル夫妻にしても、何故か、憎めない。最後は、引っ越し先のバレイショさんの納屋で、子孫繁栄の結末。
 自然界って、そんなもんよ、さもありなんと、思わせるリアリティが、ポターの作品にはあります。
 
 このおはなしが1908年に初めて出版された時は、「ねこまきだんご」という題で、大きな版型で出され、1926年にタイトルを変え、今の大きさに替えられたそうです。(続く)

☆写真は、1970年代発行の福音館「ひげのサムエルのおはなし」と「愛蔵版 ピーターラビット全おはなし集(いしいももこ・まさきるりこ・なかがわりえこ訳 福音館1994年発行)後者の印刷は、ずいぶんきれいなものになっています。
 右:ひげのサムエルが階段の踊り場で麺棒を転がしている絵ですが、かつて、湖水地方のポターの家に行ったとき、まったくこの様子に変わりがなかったことに感激したのを思い出します。(写真は、残念ながら、フィルムカメラでした。)

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