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鼠草子

鼠年jj
 鼠草子は、室町~桃山時代の絵巻五巻からなり、今は、サントリー美術館所蔵➡➡。上の写真に写る、鼠草子絵本は、原本の詞書を現代語訳し、難しい言葉を易しい言葉に置き換えています。
 したがって、写真に写るネズミたちの名前も、現代に馴染みやすい。見えている家来たちは、右から、ちい阿弥、穴掘りの左近尉、豆好きの藤兵衛、鼠茸の紀伊守、窓滑りの左馬助、桁走りのササ座衛門。

 そのお話というのは、鼠が人間と結婚!そのあと・・・・というもの。
≪むかしむかし、京の都は四条堀川のあたりに、鼠の権頭(ごんのかみ)という、とても長生きな古鼠がおりました。退屈な雨の日、権頭は家来の穴掘りの左近衛を呼び出して言いました。「のう左近衛。前世の悪行のせいか、動物の中でもこんなにちっちゃな動物になるとは、まったく情けないことよ。これでは子供や孫までずっと鼠のままじゃ。そこでじゃ。人間と夫婦になり、子孫を動物の身から救おうと思うのじゃが、いかがじゃ。」左近衛は答えて言いました。「さすがは殿、良きお考え。思い立ったら吉日、すぐにお好みのお方と夫婦になりませ。いやしかし、恐れ多くも殿のお姿は、源氏物語の光源氏か伊勢物語の在原業平か、名高き美男に遜色ござりませぬ。殿のような美鼠には、ありふれた女子(おなご)では釣り合いませぬ。」「実は、近くの五条油小路の柳屋という長者のところに、・・・・(後略)」≫

めでたく、長者の娘と結婚するも、最後は、鼠であることがばれ、出家、そのあと、猫と高野山に・・・という、何とも、奇想天外なお話なのでした。

 その中でも、出家の際(仏道修行)の五戒という場面では、権頭(出家後 ねん阿弥)の言うことが可笑しい。例えば、第一に命あるものを殺さず・・・とあれば、口寂しい時には、海老、雑魚、蝗(いなご)など少し殺して頂くのをお許しを、など。凄ーく、緩い五戒を申し出たのでした。ちなみに、第二は人のものを盗まず、第三に女に触れず、第四に嘘を言わず、第五に酒を飲まずです。申し出たのは、どれも、緩い(緩すぎる)。

 ・・・とまあ、ファンタジックなのか、リアルなのか。はてさて?
 美鼠というのが、どんなものなのかよく分からない時点で、笑える話です。

「鼠草子」(サントリー美術館)

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